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「様子が違う」が伝わらない。介護の夜勤で、外国人スタッフとの申し送りが止まるとき

2026.09.08

介護施設で外国人スタッフとの申し送りが通じない。技能実習生・特定技能の方が増えた現場で、「いつもと様子が違う」のような日本語をその場で共有する方法を、夜勤帯の実情に沿ってまとめました。

夜の介護施設の廊下で、日本人の職員と外国人のスタッフが申し送りをしている

介護の現場で、外国人のスタッフの方はもう珍しくありません。技能実習、特定技能、留学生のアルバイト。夜勤帯を回しているのが外国人スタッフだけ、という施設も増えました。

そこで必ず出てくるのが申し送りの問題です。「いつもと様子が違う」「食が細い」「夜間せん妄が出ている」。この種の日本語は、日本語学校では習いません。

この記事では、申し送りのどこが難しいのかを分けたうえで、夜勤帯に聞ける相手がいない時間にできることを整理します。

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夜勤帯こそ、聞ける相手がいない

日本語が得意な職員がいる時間と、判断が要る時間はずれています。

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申し送りの日本語は教科書に出てこない

「様子が違う」「食が細い」。曖昧なのに、いちばん大事なことばです。

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利用者さんの情報が外に出ません

端末の中だけで訳すので、体調も家族の事情もサーバーへ送られません。

申し送りは、いちばん翻訳が難しい日本語でできている

介護の申し送りに出てくることばを並べてみると、その難しさが分かります。「いつもと様子が違う」「食が細い」「表情が硬い」「夜間そわそわしている」「傾眠がち」。どれも数値ではなく、感じ取ったことをそのまま日本語にしたものです。

日本語能力試験のN2を持っている方でも、この種のことばは通りません。教科書に出てこないからです。ところが介護では、まさにこの曖昧なことばの中に、いちばん大事な情報が入っています。

「熱は37度2分」は伝わります。伝わらないのは「熱は無いけど、いつもと違う」のほうです。そして急変の前触れは、たいてい後者に出ます。

夜勤帯には、聞ける相手がいない

日中であれば、日本語が得意な先輩に聞けます。しかし夜勤は少人数です。判断に迷ったとき、隣に聞ける人がいません。

その結果どうなるかというと、記録が薄くなります。「特変なし」とだけ書かれる。書いた本人が手を抜いたのではなく、感じ取ったことを日本語にできなかっただけです。翌朝の申し送りで初めて「昨夜こうだった」と口頭で出てくることもあります。

ここで必要なのは日本語教育ではありません。数か月かかる話に、今夜の利用者さんは待ってくれないからです。必要なのは今この場で、感じたことを母語のまま置いておける道具です。

夜の介護施設で、日本人の職員と外国人のスタッフが向かい合って申し送りをしている
夜勤帯は少人数です。迷ったときに聞ける相手がいません。

「やさしい日本語」だけでは埋まらない差がある

やさしい日本語の取り組みは、とても有効です。文を短く切る、二重否定を使わない、漢語を和語に言い換える。これだけで通じる場面はかなり増えます。私たちも推奨しています。

ただし、やさしい日本語には限界もあります。言い換えると消える情報があることです。「傾眠がち」を「よく寝ています」に言い換えると、医療的な意味が落ちます。「そわそわしている」を「動いています」にすると、まったく別の意味になります。

だから現場では、両方を使い分けるのが現実的です。ふだんはやさしい日本語で。落とせない情報があるときだけ、母語でそのまま受け取る。

通信を使わない翻訳を、記録の手前に一度はさむ

私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。通信を使いません。

施設の建物は鉄筋で、居室の奥や地下の設備室では電波が弱くなります。夜勤帯にクラウドの翻訳アプリが読み込み中のまま止まる、ということが起きません。

そしてもう1つ、介護では重い意味を持つ点があります。利用者さんの体調や、ご家族の事情が、サーバーへ送られません。個人情報の扱いを説明しなければならない立場の方にとって、ここは導入の可否を分ける部分です。

クラウドの翻訳アプリは会話をサーバーへ送るが、端末の中で訳す方式では外に出ないことを比べた図
訳す場所が端末の中なら、利用者さんの情報は施設から出ません。

申し送り・利用者対応・ご家族対応の3つで使う

申し送りでは、外国人スタッフに母語で話してもらい、日本語の訳文を一緒に見ます。「いつもと様子が違う」に当たる表現が、その人のことばでどう出てくるかが見えるので、翌日の記録の質が変わります。

利用者さん対応では、上下に画面を分けて相手側を180度反転させる表示が使えます。ベッドサイドでスマホを持ち替えずに、短い確認が取れます。

ご家族対応は、いちばん重い場面です。外国籍のご家族への説明は、間違えられません。ここは訳文が文字で残ることが効きます。声だけで進めず、画面を一緒に見ながら確認できます。

使い方は3つの手順だけです。アプリを開いて「対面」モードを選ぶ、相手の言語を選ぶ、話してもらう。覚えることはありません。

使い方の3ステップ。対面モードを選ぶ、相手の言語を選ぶ、スマホを向けて話してもらう
手順は3つだけ。夜勤帯に説明書を読む余裕はありません。

導入するときに決めておくとよいこと

施設で使う場合、共用の端末を1台決めて、必要な言語のデータを先に入れておくのがいちばん簡単です。ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・ネパール語・中国語・フィリピノ語など、実際に在籍しているスタッフの母語を入れておきます。

そして、使う場面を先に決めておくことをおすすめします。申し送りのうち「特変あり」のときだけ使う、ご家族への説明では必ず使う、というように決めておくと、現場が迷いません。

外国人スタッフの方にとっても、これは負担が減る話です。うまく言えないから黙る、という選択をしなくてよくなります。伝えられる前提があると、人は気づいたことを言うようになります。

よくある質問

施設の中は電波が弱いのですが使えますか

使えます。通信を一切使わないので、居室の奥でも地下でも同じように動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけWi-Fiが要ります。

利用者さんの情報が外部に送られませんか

送られません。翻訳も音声の聞き取りも端末の中で完結します。個人情報の扱いを説明する立場の方にも、そのまま伝えられます。

ベトナム語やインドネシア語にも対応していますか

対応しています。86言語で、ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・ネパール語・中国語・フィリピノ語などが入っています。

外国人スタッフの日本語学習の代わりになりますか

なりません。日本語の学習は続けたほうがよいです。これは学習が追いつくまでの間と、落とせない情報があるときのための道具です。

料金はかかりますか

基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。

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iPhone・Androidどちらでも使えます。

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