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「お腹が痛い」の先が聞けない。外国人患者の受付で、言葉が通じないとき

2026.09.08

病院・クリニックの受付に外国人の患者さんが来たとき、言葉が通じないまま問診票が埋まらない。医療通訳を呼べない時間帯でも、症状・持病・アレルギーをその場で確認する方法を、受付の手順に沿ってまとめました。

クリニックの受付カウンターで、受付スタッフが外国人の患者と一緒に問診票を見ている

病院やクリニックの受付で、外国人の患者さんが立っている。「痛い」ということは分かる。でも、どこが、いつから、どのくらいなのかが聞けない。——受付の方から、いちばんよく伺う話です。

困っているのは受付の方だけではありません。患者さんのほうも、自分の体のことを説明できないまま順番を待つことになります。どちらにとっても不安な時間です。

この記事では、医療通訳を呼べない時間帯に、受付でどこまで確認できるかを整理します。診断の話ではありません。診察の手前で止まっている部分だけを、確実に埋める話です。

🩺
症状・持病・アレルギーだけは確実に

診察の手前で必要なのは、この3つです。ここを外さなければ、あとは普段どおりの流れに戻せます。

🔒
患者さんの話が外に出ません

端末の中だけで訳すので、症状も持病も個人情報もサーバーへ送られません。

呼ぶ前に、その場で

通訳の手配を待つあいだも、受付は止まりません。まず受付で聞ける形にしておく話です。

受付で止まるのは「診察」ではなく、その手前

外国人の患者さんの対応でいちばん時間がかかるのは、実は診察室ではありません。受付と問診票です。保険証の確認、初診か再診か、いつから、どこが、これまでにかかった病気、飲んでいる薬、アレルギー。日本語で書かれた問診票を前に、ペンが止まります。

書いてもらえないまま診察室へ通すと、今度は医師が同じことを一から聞くことになります。結果として1人にかかる時間が倍になり、待合室の全員が待つことになります。詰まっているのは医療の中身ではなく、その手前の確認です。

逆に言えば、受付で症状・持病・アレルギー・服薬の4つさえ取れていれば、そこから先は普段の診療とほとんど変わりません。

クリニックの受付で、外国人の患者がお腹をおさえながら症状を伝えようとしている
「痛い」は伝わる。その先が聞けないまま順番を待つことになります。

医療通訳は、いちばん必要な時間にいない

医療通訳の制度は年々整ってきています。電話通訳やタブレット通訳を契約している病院も増えました。それでも現場から聞こえてくるのは、「呼べる時間帯と、来る患者さんの時間帯が合わない」という声です。

夜間、休日、そして平日の受付が混み合う時間。外国人の患者さんが来るのは、たいていそこです。電話通訳につながるまでの数分、受付は止まります。窓口に列ができていれば、その数分を取ること自体が難しくなります。

通訳が要らないという話ではありません。説明と同意が要る場面には、必ず通訳を入れるべきです。ただ、そこへ至る手前の確認まで通訳を待っているのは、お互いにもったいない、という話です。

翻訳アプリを受付で使うときの、2つの壁

すでにスマートフォンの翻訳アプリを試した受付の方も多いはずです。そして、たいてい2つの壁にぶつかります。

1つめは電波です。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送って、そこで聞き取りと翻訳をします。院内は鉄筋で電波が弱く、地下の検査室や奥の処置室では圏外になります。院内Wi-Fiに患者さん用の端末をつなぐわけにもいきません。

2つめは個人情報です。症状も、持病も、服薬も、患者さんの氏名も、翻訳アプリを通すたびに社外のサーバーへ送られています。個人情報保護方針や院内規程との整合を、誰が説明できるのか。ここで導入が止まっている病院を実際に見てきました。

この2つは、じつは同じ1つの原因から来ています。訳す場所が、端末の外にあることです。

クラウドの翻訳アプリは会話をサーバーへ送るが、端末の中で訳す方式では外に出ないことを比べた図
訳す場所が外にあるかどうかで、電波の問題も個人情報の問題も変わります。

通信を使わない翻訳、という選択肢

私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。

院内が圏外でも動きます。機内モードのままでも動きます。そして通信していないので、患者さんの症状も持病も、どこへも送られません。「外に出していない」ことを、患者さんの目の前で示せるのは、医療の現場では小さくない意味を持ちます。

対応しているのは86言語です。英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語・インドネシア語など、実際に窓口へ来られる方のことばは入っています。

受付・問診で、そのまま使える流れ

使い方は3つの手順だけです。①アプリを開いて「対面」モードを選ぶ、②相手の言語を選ぶ、③カウンターにスマホを置いて話してもらう。訳文が画面に文字で出て、読み上げも流れます。こちらが日本語で返せば、相手のことばになります。

画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、カウンター越しにスマホを持ち替えずにやり取りができます。訳文は文字でも残るので、声だけで進めずに、患者さんと一緒に画面を指さして確認できます。

受付で取るとよい順番は決まっています。まずいつから・どこが。次に持病。そしてアレルギーと飲んでいる薬。この4つを画面の文字で確認してから診察室へ回すだけで、そこから先の時間がまったく変わります。

受付スタッフがカウンターでスマートフォンを持ち、患者の訳文を確認している
訳文は文字でも出ます。声だけで進めないことが、受付では大事です。

院内で先に決めておくと、迷わない

導入する前に決めておくと現場が迷わないことが3つあります。1つめはどこまでを受付で聞くか。症状・持病・アレルギー・服薬までにして、検査や治療の説明は通訳を入れる、と線を引いておくことです。

2つめは訳文を記録に残すかどうか。画面の訳文をそのままカルテに転記するのか、確認だけに使うのかを決めておきます。3つめは端末の管理です。受付共用の1台にしておくと、設定と言語データの管理が楽になります。

念のため書いておきます。診断・治療方針・同意が必要な場面では、必ず医療通訳を入れてください。アプリはその手前の確認を確実にするための道具で、通訳の代わりではありません。この線を引いておくほうが、結果として現場は安心して使えます。

よくある質問

院内が圏外でも使えますか

使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。

患者さんの症状や氏名が外部に送られませんか

送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。院内規程との整合も説明しやすくなります。

医療通訳の代わりになりますか

なりません。診断・治療方針・同意が必要な場面では医療通訳を入れてください。このアプリは受付や問診など、その手前の確認を確実にするための道具です。

どの言語に対応していますか

86言語です。英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語・インドネシア語・ネパール語など、窓口で実際に必要になるものは入っています。

料金はかかりますか

基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。

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この記事のアプリは、無料ではじめられます。

iPhone・Androidどちらでも使えます。

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