「少しだけ」が10センチだった。美容室で、切る前に確かめておくこと
美容室に外国人のお客様が来られたとき、長さ・すき具合・前髪をどう確かめるか。写真を見せるだけでは足りない理由と、切ってからでは戻せない項目を切る前に確定させる方法をまとめました。
美容室の仕事には、やり直しが効きません。切ってしまった髪は戻せない。だから外国人のお客様の対応でいちばん怖いのは、言葉が通じないことそのものではなく、通じたつもりで切ってしまうことです。
「少しだけ」と言われた。うなずいてくださった。切った。そして鏡を見た瞬間の顔で、伝わっていなかったと分かる。——美容師の方から、この話をよく伺います。
この記事では、写真を見せるやり方では足りない部分と、切る前に確定させておくべき項目を整理します。
長さ・量(すき具合)・前髪。ここさえ切る前に確定させれば、あとは普段どおりです。
同じ写真でも、髪質と骨格で仕上がりは変わります。「どのくらい」は言葉で詰める必要があります。
端末の中だけで訳すので、会話がサーバーへ送られません。
写真を見せてもらう、では決まらない
外国人のお客様の対応で、いちばん普及しているやり方が写真を見せてもらうことです。これは実際とても有効で、雰囲気や方向性はほぼ一発で共有できます。
ただ写真で決まらないものがあります。「どのくらい」です。同じ写真を見ても、髪質が違えば、骨格が違えば、今の長さが違えば、そこへ持っていくために切る量はまったく変わります。そして、その差の説明が要る場面でこそ、言葉が止まります。
もう1つ、写真では出てこないものがあります。「触ってほしくない場所」です。伸ばしている途中の部分、傷んでいて切りたくない部分、宗教や文化の理由で扱いに気をつけてほしい部分。聞かなければ、写真には写りません。
切ってからでは戻せない、3つだけ
現場の方に伺うと、あとで問題になるのはほぼ3つに絞られます。長さ、量(すき具合)、前髪です。
長さは、指で示すだけだと必ずずれます。「少しだけ」は人によって1センチにも10センチにもなります。数字か、体の位置(肩、鎖骨、あご)で確定させるのが確実です。
量は、そもそも母国の美容室に「すく」という概念が無い国があります。軽くするつもりが、想像していたのと違う仕上がりになる原因の多くはここです。前髪は、眉の上か下かで印象がまったく変わるうえ、伸びるまで戻せません。この3つだけは、切る前に文字で確認しておく価値があります。
翻訳アプリを店で使うときの、2つの引っかかり
すでにスマートフォンの翻訳アプリを試した美容師の方も多いはずです。そして、たいてい2つのところで引っかかります。
1つめは手がふさがることです。はさみを持ったまま、画面をタップして、持ち替えて、相手に見せる。この往復が施術のリズムを壊します。鏡ごしに一度で見せられるかどうかが、実際の使いやすさを決めます。
2つめは電波です。ビルの地下や2階以上の路面店では電波が細くなります。多くの翻訳アプリは声をいったんサーバーへ送るので、電波が細いと数秒待たされます。お客様を鏡の前に座らせたまま待つ数秒は、思っているより長く感じます。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
地下の店舗でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、お客様との会話がどこかへ送られることもありません。対応は86言語で、韓国語・中国語・英語・ベトナム語・タイ語など、実際に来店される方のことばは入っています。
画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、鏡の前にスマホを置いたまま、持ち替えずにやり取りができます。訳文は文字でも残るので、鏡ごしに指さして確認できます。
カウンセリングの5分で、確定させる順番
順番を決めておくと速く終わります。①今日どこまで切るか(長さ)②軽くするかどうか(量)③前髪をどうするか ④触ってほしくない場所 ⑤次はいつ来られるか。この5つです。
長さは体の位置で言い切るのがいちばん確実です。「肩につくくらい」「鎖骨の下」「あごのライン」。数字より、鏡を見ながら確かめられるので誤解が起きません。訳文を出したら、鏡の中の位置を指で示して、うなずいてもらってから切り始めます。
④の「触ってほしくない場所」は、こちらから聞かないと出てきません。聞かれなかったことは、言わなくていいことだと思われます。一度聞いておくだけで、仕上がりの満足度がはっきり変わります。
コンビニでも小売でも、起きていることは同じ
この「戻せないことを、切る前に確定させる」という考え方は、美容室だけの話ではありません。やり直しの効かない仕事すべてに共通します。
クリーニング店の「このシミは落ちないかもしれません」、ネイルサロンの長さと形、動物病院の投薬の説明。どれもやってしまってからでは戻せない点が同じです。だから、その手前の数十秒に手当てをする価値があります。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、戻せない項目だけを、確実に一度確かめることです。それができれば、外国人のお客様の来店はただの来店になります。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、鏡の前にスマホを置いたまま、持ち替えずにやり取りできます。訳文は文字でも出るので、鏡ごしに指さして確認できます。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
86言語です。韓国語・中国語・英語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語など、来店される方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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