受け取れない荷物は、何度も戻ってくる。外国人の受取人に、一回で渡すために
宅配のドライバーが外国人の受取人に「サインが要るか」「置き配でいいか」「再配達の日時」を伝えられないと、同じ荷物を何度も運ぶことになります。不在票が読めない理由と、玄関先の30秒で置き配の合意を取る方法をまとめました。
宅配のドライバーの方から伺った話です。インドから来た住民の方の荷物。1回目は不在。不在票を入れる。2回目も不在。3回目にやっと会えて、「ドアの前に置いていってくれればよかったのに」。
住民のほうは、置き配でよかった。ドライバーのほうも、置き配で済ませたかった。不在票が読めなかっただけで、同じ荷物が3回運ばれました。
この記事では、宅配のどこで止まるのか、そして玄関先の30秒で置き配の合意を取り、一回で渡すには何が要るのかを整理します。
この記事の場面を、40秒の動画で
アパートの玄関先の場面です。インド人の住民の「今外にいるので、荷物はドアに置いて」に、「サインは要りません、ドアの前に置いておきます」が一回で伝わるまでを40秒にまとめました。
再配達の依頼も置き配の指定も、日本語の紙では届きません。
「サインは要りません」「ドアの前に置きます」が渡れば、次回から一回で済みます。
通信を使わないので、エレベーターホールでも地下でも動きます。
不在票は、読めなければ無いのと同じ
不在票の仕組みは、とてもよくできています。日時を選んで再配達を頼める。置き配を指定できる。営業所で受け取れる。日本語が読めれば。
外国人の受取人にとって、不在票は「ポストに入っていた紙」です。何の紙か、どうすればいいか、電話番号は何のためか。読めない紙は、捨てられるか放置されます。そして荷物は、また運ばれます。
多言語の不在票を用意している会社も増えました。それでも「この荷物は置き配でいいですか」「サインが要りますか」のような、その荷物についての質問には、紙は答えられません。
玄関先の30秒が、次回からを決める
ドライバーが受取人に会えるのは、たいてい玄関先の30秒です。その30秒で、次回からの受け取り方を決められるかどうかが、その先の配達回数を決めます。
「サインが要る荷物か、要らない荷物か」「置き配でいいか」「いつなら在宅か」。この3つが玄関先で渡れば、次回から一回で済みます。逆に、身振りで荷物を渡すだけで終わると、次回も同じことが起きます。
ドライバーの方は、1日に100軒以上回ります。1軒あたり30秒の投資で、その軒の再配達がゼロになるのなら、割に合います。
翻訳アプリを玄関先で使いにくかった理由
ドライバーの方の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで乗り切った方もいます。そして、たいてい2つのところで立ち止まります。
1つめは電波です。マンションの内廊下、エレベーターホール、地下の宅配ボックス。建物の中は電波が細くなります。多くの翻訳アプリは声をいったんサーバーへ送るので、電波が無いと止まります。荷物を抱えたまま「読み込み中」は、現実的ではありません。
2つめは受取人の情報です。名前、住所、在宅の時間帯、電話番号。配達の会話には個人情報が普通に混ざります。それを社外のサーバーへ送ってよいのか。運送会社の情報管理の規程に照らして、ここで判断が止まります。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
内廊下でも、地下でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、受取人の名前も在宅の時間帯も、どこへも送られません。
対応は86言語です。ヒンディー語・ベトナム語・中国語・ネパール語・フィリピノ語・インドネシア語・ポルトガル語・英語など、実際に住んでいる方のことばは入っています。
玄関先で、渡す順番
荷物を渡しながら、スマホを1台出します。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、向かい合ったまま、持ち替えずにやり取りができます。ドライバーが日本語で話す、受取人のことばで出る。受取人が話す、日本語で出る。
30秒で渡すのは3つです。①この荷物はサインが要るか ②次回から置き配でいいか ③置き配なら、どこに置くか。動画の「今外にいるので、ドアに置いて」は、②③がまとめて出てきた形です。それが聞き取れれば、その場で「サインは要りません、ドアの前に置きます」で合意できます。
置き場所は、必ず画面の文字で確かめます。「ドアの前」「宅配ボックス」「メーターボックス」。訳文は文字でも残るので、指さしと一緒に確かめると確実です。
営業所で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが2つあります。1つめは置き配の合意をどう記録するか。口頭の合意で済ませるのか、配達端末に登録するのか。会社の規程に合わせておきます。
2つめは端末です。ドライバー個人のスマホではなく、配達端末と一緒に持ち出す1台にしておくと、言語データの管理と情報管理の説明が一本化できます。一度声に出して「サインは要りません。ドアの前に置いておきます」を通しておくと、本番でそのまま出てきます。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、玄関先の30秒で、次回からの受け取り方を確実に一度決めることです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
声で話して声で返ってくるので、画面を触るのはボタンを押すときだけです。ポケットから出して片手で使えます。
86言語です。ヒンディー語・ベトナム語・中国語・ネパール語・フィリピノ語・インドネシア語・ポルトガル語・英語など、住んでいる方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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