10分続けて翻訳させたら、スマホが熱くなって2〜3割遅くなった
スマートフォンの中でAI翻訳を連続して動かすと、発熱で速度が落ちます。10分で2〜3割、止めても3分は戻らないという実測と、それを前提にした設計の考え方を書きました。
スマートフォンの中だけでAIの翻訳を動かしていると、机の上では気づけないことに出会います。そのひとつが発熱でした。
10分ほど続けて翻訳させると、本体が熱くなって速度が2〜3割落ちます。しかも止めてもすぐには戻らず、3分ほど休ませる必要があります。カタログには出てこない数字ですが、実際の使用感を決めるのはここです。
端末が自分を守るために計算を抑えます。故障ではありません。
冷めるまで待つしかありません。
同じ設定が全部の端末に効きません。
なぜ熱くなるのか
サーバーへ送らずに端末の中で翻訳するということは、その小さな板に全部の計算をやらせるということです。計算をすれば熱が出ます。ノートパソコンで重い作業をすると本体が熱くなるのと同じ理屈です。
スマートフォンには扇風機が入っていません。熱がこもると、端末は自分を守るために計算の速さを落とします。これは正常な動作で、故障ではありません。
実測:10分で2〜3割、戻るまで3分
連続で翻訳させながら計測しました。開始からおよそ10分で、明確に遅くなりはじめます。落ち幅は2〜3割。体感でもはっきり分かる差です。
興味深かったのは戻り方です。翻訳を止めても、すぐには元の速さに戻りません。3分ほど置いてようやく戻ります。熱がこもったままだからです。
会議のような使い方をすると、ここが上限になります。一日中つけっぱなしで通訳させ続ける、という使い方は現状では現実的ではありません。
空回りを止めたら、はっきり涼しくなった
発熱の原因を調べていて分かったことがあります。計算が終わって次を待っているあいだ、何もしていないのに回り続けている部分がありました。
待ち方をひとつ変えて、空回りを止めました。それだけで、はっきり涼しくなりました。速くする工夫よりも、無駄を止める工夫のほうが効いた例です。
このときも、測る前に「端末が非力だから」と決めつけていたら見つけられませんでした。
機種による差が大きい
Androidは端末の種類が多く、同じ設定が全部に効きません。計算を分担させる数を6から4に減らしたら、そのほうが速くなった機種がありました。多いほど速い、とは限りません。
熱の逃げ方も筐体によって違います。金属の背面を持つ機種は熱を逃がしやすく、樹脂の機種はこもりやすい。同じアプリでも、体験が変わります。
隠さずに知らせる、という選び方
この問題はアプリ側で消せません。端末の物理的な限界だからです。そこで、隠さずに画面で知らせることにしました。
遅くなったときに黙っていると、使う人は「壊れた」と思います。理由が分かっていれば、少し休ませて続けられます。伝えることが、そのまま対策になる場面です。
機械なのに、そこは人間と同じだと思いました。休ませるしかありません。
よくある質問
故障ではありません。端末が自分を守るために計算を抑える正常な動作です。少し休ませると戻ります。
連続10分を超えると遅くなります。休憩を挟みながらの利用をおすすめします。
充電中は発熱が増えるため、より早く遅くなります。可能であれば充電を外して使ってください。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
こちらの記事もどうぞ
海外旅行で言葉が通じないとき|黙ってしまう前にできること 旅先で困るのは英語力の不足ではなく、確認できないまま進んでしまうことです。
4分が11秒になった一行|Androidでオフライン翻訳を速くした話 スマホの中でAIの翻訳を動かすと何が起きるか。実際に測った数字だけで書いた開発の記録です。
避難所で外国人住民に案内が届かない|電波が消えた夜に、自主防災でできること 災害のとき、電波はいちばん先に消えます。その夜に翻訳アプリが動かない理由と、動く選択肢をまとめました。
外国人保護者との面談で通訳が来ない|学校で子どもの話を外に出さずに伝える方法 外国人保護者との面談は、通訳の順番待ちと個人情報の2つで止まります。その日のうちに、外に出さずに話す方法です。