退去の請求は、あとから来るともめる。外国人の入居者との立ち会いで、その場で確かめる
賃貸の退去立ち会いで、外国人の入居者に「これは払う傷」「これは払わない傷」の説明が伝わらないと、あとからの請求でもめます。原状回復の考え方が伝わらない理由と、立ち会いのその場で払うもの・払わないものを確かめる方法をまとめました。
管理会社の方から伺った話です。インドネシアから来た入居者の退去立ち会い。壁に小さな傷がある。入居者が不安そうに壁を指す。「これは払うのか」と聞かれているのは分かる。でも答えられない。
身振りで「大丈夫」と示して、鍵を受け取って、終わり。そのあと敷金の精算書が届いて、「聞いていない」「話が違う」。立ち会いで確かめられなかったことが、書面になって戻ってきます。
この記事では、退去立ち会いのどこで止まるのか、そして払うもの・払わないものをその場で確かめるには何が要るのかを整理します。
立ち会いのその場で確かめておけば、精算書は確認済みの内容になります。
端末の中だけで訳すので、口座や転居先の話がサーバーへ送られません。
立ち会いは鍵を返す現地で行います。Wi-Fiが無くても、通信を使わないので止まりません。
原状回復は、日本独特の考え方
退去のときに「ふだんの生活でついた傷は払わなくていい」「故意や不注意の傷は払う」という原状回復の考え方は、国によって大きく違います。母国では敷金が全額戻らないのが普通、という方もいれば、全額戻るのが普通、という方もいます。
だから立ち会いで壁の傷を見たとき、入居者の不安はこちらが思うより大きい。「全部払わされるのでは」と身構えています。その不安に、その場で答えられるかどうかで、退去の印象は決まります。
答えられないまま鍵を受け取ると、不安はそのまま精算書の日まで持ち越されます。そして精算書は日本語で届きます。読めない請求は、そのままもめごとになります。
あとからの請求が、もめる理由
もめごとの多くは、請求の金額そのものではなく、「立ち会いで聞いていない」から起きます。立ち会いのときに壁を見て、うなずいて、鍵を返した。それが「大丈夫」の意味だと思っていたのに、請求が来た。
管理会社の側は、説明したつもりです。身振りで示したからです。でも身振りの「大丈夫」は、「この傷は大丈夫」にも「全部大丈夫」にも見えます。どちらも嘘ではないのに、食い違います。
逆に言えば、立ち会いのその場で「これは払う」「これは払わない」を1つずつ相手のことばで確かめておけば、精算書は確認済みの内容になります。もめごとは、精算書ではなく立ち会いで決まります。
翻訳アプリを現地で使えなかった理由
すでにスマートフォンの翻訳アプリを試した管理会社の方も多いはずです。そして、たいてい2つの壁にぶつかります。
1つめは電波です。立ち会いは鍵を返す現地で行います。空室にWi-Fiはありません。鉄筋の建物の内側では電波が細くなります。多くの翻訳アプリは声をいったんサーバーへ送るので、電波が無いと止まります。
2つめは入居者の情報です。敷金の返金先の口座、転居先の住所、連絡先。退去の会話には個人情報が普通に混ざります。それを社外のサーバーへ送ってよいのか——ここで手が止まる会社を実際に見てきました。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
空室でも、内廊下でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、入居者の口座も転居先も、どこへも送られません。
対応は86言語です。インドネシア語・ベトナム語・中国語・ネパール語・フィリピノ語・ポルトガル語・韓国語など、入居される方のことばは入っています。
立ち会いのその場で、確かめる順番
玄関の上がり口にスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、向かい合ったまま、持ち替えずにやり取りができます。担当者が日本語で話す、入居者のことばで出る。入居者が話す、日本語で出る。
順番を決めておくと10分で終わります。①部屋を一緒に回りながら、傷を1つずつ「払う」「払わない」②払うものの理由 ③敷金から引かれる金額の目安 ④精算書がいつ届くか ⑤「気になることは」と聞く。動画の「この傷は払うのですか」は①で出てきます。①で出た不安に、その場で答えるのが立ち会いの核心です。
金額と「払う・払わない」は、必ず画面の文字で確かめます。訳文は文字でも残るので、立ち会いの記録と一緒に画面を写真に撮っておくと、精算書の日にお互いに確認できます。
社内で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを書面と正式な手続きにするか。立ち会いでの確認と説明まではアプリ、精算書と敷金の返金は正式な書面と手順、と線を引いておくと現場が迷いません。
2つめは訳文を残すかどうか。「説明した」の記録として画面を残すのか、確認だけに使うのか。あとで「聞いていない」になりやすい退去ほど、残しておくと安心です。3つめは端末です。現地に持ち出す1台を決めて、そこに言語データを入れておくのがいちばん楽です。
念のため書いておきます。精算書と敷金の返金は、必ず正式な手順で行ってください。アプリは立ち会いでの確認を確実にするための道具で、その代わりではありません。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
精算書の内容を説明するのには使えます。精算書そのものと返金は正式な書面と手順で行ってください。
86言語です。インドネシア語・ベトナム語・中国語・ネパール語・フィリピノ語・ポルトガル語・韓国語・英語など、入居される方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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