← ブログの一覧へ

夜の倉庫には、聞き返せる相手がいない。外国人スタッフと置き間違いをなくす

2026.09.15

物流倉庫の夜勤で、外国人スタッフに荷物の置き場所や重さの注意が伝わらないと、置き間違いと事故につながります。棚の奥で電波が届かない理由、聞き返せない夜勤の構造、その場で確かめる方法をまとめました。

夜の物流倉庫の通路で、ベストを着たリーダーがインド人の女性スタッフと話している

物流倉庫のリーダーさんから伺った話です。夜勤に入ったインドから来たスタッフが、荷物を持ったまま通路で止まっている。どこに置けばいいのか分からない。でも夜勤のフロアに、聞ける人はリーダー1人。

そのリーダーも、ヒンディー語は分かりません。身振りで棚を指す。うなずいて置く。翌朝、重い荷物が上の段に積まれている。落ちれば事故です。

この記事では、倉庫の夜勤のどこで止まるのか、そして聞き返せる相手がいない夜に、置き間違いをなくすには何が要るのかを整理します。

📦
置き間違いは「場所」より「重さ」から

棚の番号は指させます。「重いから下に」は指させません。抜けるのはそこです。

📶
棚の奥は電波が届かない

鉄骨の建屋と金属の棚に囲まれると、クラウドの翻訳は止まります。通信を使わないので、棚の奥でも動きます。

🔒
荷主の情報が外に出ない

端末の中だけで訳すので、商品名や出荷先の話がサーバーへ送られません。

抜けるのは「場所」ではなく「理由」

ピッキングの仕事のうち、棚の番号を見て荷物を取る部分は、言葉が無くても覚えられます。端末が指示を出し、番号を照合すれば済むからです。止まるのはそこではありません。

止まるのは、番号に書いていないことです。「重いから下の段に」「こっちは割れ物だから上に重ねない」「この列は明日の便だから触らない」。指示書には書けない理由が、口頭でしか伝わらないのに、口頭では伝わらない。

結果、荷物は正しい棚に、間違った段で置かれます。置き場所は合っているのに、置き方が違う。翌朝の事故は、たいていここから起きています。

倉庫の金属の棚のいちばん下の段に、段ボール箱を置く手
「重いから下に」の一言があれば、上の段には積まれません。

夜勤は、聞き返せない構造になっている

日勤のフロアには、同じ国から来た先輩や、日本語ができる同僚がいることがあります。分からなければ聞けます。夜勤は違います。人が少なく、同じ言語の同僚がいない時間帯です。

そして、分からないまま止まっていると、遅れているように見えます。聞くより、動いたほうが楽になる。それが置き間違いの正体です。責める話ではなく、構造の話です。

聞き返せる相手が1人しかいないなら、その1人との会話を確実にするしかありません。リーダーとスタッフの間に、言葉の道を1本通す。それだけで夜勤の置き間違いは減ります。

翻訳アプリを倉庫で使えなかった理由

すでにスマートフォンの翻訳アプリを試したリーダーさんも多いはずです。そして、たいてい1つのところで止まります。電波です。

倉庫は鉄骨の建屋で、金属の棚が何列も並んでいます。棚の奥に入ると、電波はほぼ届きません。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送るので、いちばん聞きたい棚の奥で動かないことになります。

もう1つ、商品名や出荷先の話は荷主の情報です。それを社外のサーバーへ送ってよいのか。取引先との契約に照らして、誰が説明するのか。ここで止まっている現場も見てきました。

クラウドの翻訳アプリは会話をサーバーへ送るが、端末の中で訳す方式では外に出ないことを比べた図
訳す場所が端末の外にあるかどうかで、電波の問題も荷主の情報の問題も変わります。

通信を使わない翻訳、という選択肢

私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。

棚の奥でも、地下でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、商品名も出荷先も、どこへも送られません。

対応は86言語です。ヒンディー語・ネパール語・ベトナム語・インドネシア語・フィリピノ語・ミャンマー語・シンハラ語など、倉庫で実際に働いている方のことばは入っています。

夜勤の入りに、確かめる順番

使い方は簡単です。アプリで「対面」モードを選び、相手の言語を選ぶ。作業台にスマホを置いて、日本語で話す。相手のことばで訳が出て、読み上げも流れます。相手が話せば、日本語になって返ってきます。

夜勤の入りに1分だけ使います。順番は①今日の担当エリアを相手に言ってもらう ②重い物・割れ物の扱いを1つずつ ③困ったらどこに来るか。①が大事です。こちらが説明するのではなく、相手に言ってもらうと、抜けている部分がその場で見えます。

そして、通路で止まっているスタッフを見かけたら、その場でスマホを出します。動画の「どこに置けばいいか分かりません」は、聞ける道があって初めて出てくる言葉です。聞ける道が無いと、置き間違いになります。

夜の倉庫の、金属の棚にはさまれた長い通路
棚の奥は、電波もリーダーの声も届きません。手元で動く道具が要ります。

安全に関わることは、必ず確かめる

最後に、いちばん大事なことを書いておきます。「重い物は下に」「フォークリフトの通路に入らない」のような安全に関わる指示は、伝わったつもりで済ませないでください。

倉庫の事故は、落下と接触がほとんどです。どちらも「知らなかった」から起きます。訳文を画面に出して、相手に読んでもらって、うなずいてもらう。この30秒を惜しまないでください。

英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、抜けてはいけない一言だけを、確実に一度確かめることです。

よくある質問

棚の奥で完全に圏外でも使えますか

使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。

商品名や出荷先の話が外部に送られませんか

送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。荷主との契約との整合も説明しやすくなります。

フォークリフトの音がする場所でも聞き取れますか

機械のそばでは聞き取りが落ちます。作業台の脇や通路の端など、少し静かな場所で使うほうが確実です。文字で打って訳す方法もあります。

どの言語に対応していますか

86言語です。ヒンディー語・ネパール語・ベトナム語・インドネシア語・フィリピノ語・ミャンマー語・シンハラ語・英語など、倉庫で働く方のことばはたいてい入っています。

料金はかかりますか

基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。

ほかの質問も見る →

この記事のアプリは、無料ではじめられます。

iPhone・Androidどちらでも使えます。

こちらの記事もどうぞ

ブログの一覧を見る →