その注文、券売機の前で止まっている。ラーメン店で外国人のお客様に「先に食券」をその場で通す
ラーメン店の券売機の前で外国人のお客様が止まると、昼のピークの回転が落ち、列が伸びます。食券方式が海外にほとんど無いこと、ボタンの日本語が読めないこと、店主は厨房から出られないこと。3つの壁を越えて、入口の10秒で「先に食券」を伝える方法をまとめました。
ラーメン店の店主の方から伺った話です。昼のピーク、アメリカからのお客様が入ってきて、カウンターに座ろうとする。先に食券を買ってほしい。でも厨房から出られない。「チケット!」と声をかけても、通じない。
お客様は席に座って、メニューを探す。後ろには列。店主は麺を上げながら、身振りで入口を指す。この30秒が、昼の回転を落とします。
この記事では、食券方式のどこが分かりにくいのか、そして厨房から出ずに、入口の10秒で「先に食券」を渡すには何が要るのかを整理します。
先に機械で買い、券を渡して待つ。この順番そのものが、海外にはほとんどありません。
麺を上げている手は止められません。カウンター越しに、その場で伝える形が要ります。
入口で止まる時間が無くなれば、列の進みが変わります。
食券方式は、日本独特で、説明はされない
日本のラーメン店の多くは、入口の券売機で食券を買い、それをカウンターで渡して待ちます。日本人には当たり前ですが、海外にはほとんど無い仕組みです。多くの国では、席についてから注文し、食べ終わってから払います。
「先に機械で買う」「券を渡す」「そのあと席につく」——この3つが、それぞれ初めての体験です。しかも券売機のボタンは日本語で、写真が無いことも多い。ボタンの前で止まるのは、当然のことです。
店主の方が言われたのは、「怒っているわけじゃない。ただ、麺を上げながら説明ができない」ということでした。入口で止まった人に、厨房から届く一言が要ります。
ラーメン店で、実際に起きていること
訪日客にとって、ラーメンは目的の1つです。観光地や駅前のラーメン店は、昼と夜に外国人のお客様が続きます。そして昼のピークは、日本人のお客様も並んでいる。入口の30秒が、全体の回転に響きます。
英語のメニューや、券売機の横の説明書きを用意している店は多い。それでも止まるのは、読む前に席へ向かってしまうからです。説明は、入ってきた瞬間に、声で届く必要があります。
もう1つ。食券を買ったあとにも質問があります。「麺の硬さ」「トッピング」「替え玉」。これは店主にしか答えられません。厨房の中から、カウンター越しに答える形でないと、店では使えません。
ラーメン店で翻訳アプリが使えなかった理由
スマートフォンの翻訳アプリを試した店主もいます。壁は2つです。1つめは手がふさがっていることです。麺を上げ、スープを注ぎ、丼を出す。画面を操作する時間はありません。押して話して、すぐ相手のことばで出る。この速さでないと、ピークには使いません。
2つめは電波です。地下街のラーメン店、ビルの奥、駅の構内。意外に電波が細い。多くの翻訳アプリは声をインターネットの向こうへ送るので、電波が無いと止まります。昼のピークに「読み込み中」は、使えないのと同じです。
必要なのは、押して話すだけで済み、電波が無くても動く道具です。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
地下街の店でも、ビルの奥でも、機内モードのままでも動きます。要るのは電池だけです。カウンターの端に置いておけば、昼のあいだ動き続けます。
対応は86言語です。英語・中国語・韓国語・タイ語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・インドネシア語など、ラーメン店に来られる訪日客のことばは入っています。
入口の10秒で「先に食券」を渡す
カウンターの端、入口に近い場所にスマホを1台置きます。店主が厨房から日本語で話すと相手のことばで出て、お客様が話すと日本語で出ます。厨房から出ずに、カウンター越しで使えます。
入ってきた瞬間に渡すのは1つだけです。「まず、入口の機械でチケットを買ってください」。動画の「どうやって注文すればいいですか」は、この一言が返せれば、そこで終わります。お客様が券売機に向かえば、列は動きます。
券売機の前でさらに止まったら、ボタンの番号を画面の文字で。訳文は文字でも出るので、「上から2番目」「右の列」のような位置は、声だけで進めずに画面を一緒に見て確認します。麺の硬さやトッピングの質問も、同じ端末でそのまま答えられます。
店で先に決めておくと、迷わない
導入の前に決めておくとよいことが2つあります。1つめは入口の定型文です。「まず入口の機械でチケットを」「券をここに置いて」「麺の硬さはどうしますか」。よく使う5つほどを決めて、一度声に出して通しておくと、本番でそのまま出てきます。
2つめは端末の置き場所です。店主のポケットではなく、カウンターの入口側に固定。ピークの前に電源を入れて、そのままにしておきます。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、入口の「先に食券」を、厨房から届けることです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
使えます。カウンターの端に置いて、厨房から声をかける形でお使いください。訳文は画面にも出るので、お客様は文字でも確認できます。
近くで話せば聞き取れます。音が大きいときは、画面の文字で確認してください。
86言語です。英語・中国語・韓国語・タイ語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・インドネシア語など、訪日客のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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