決まりごとは、読めなければ無いのと同じ。外国人の入居者への入居説明で
賃貸の入居説明で、外国人の入居者にゴミ出しの曜日・騒音・共用部の決まりごとが伝わらないと、あとで苦情になります。日本語の書面が読めない理由と、決まりごとをその場で相手のことばに変えて渡す方法を、管理会社の流れに沿ってまとめました。
管理会社の方から伺った話です。入居説明で、ゴミ出しの決まりごとを書いた紙を渡す。ベトナムから来た入居者はうなずいて受け取る。2週間後、近所から苦情の電話が来る。
入居者は決まりを破ったつもりはありません。読めなかっただけです。日本語の書面は、日本語が読める人にしか届きません。渡したことと、伝わったことは別です。
この記事では、入居説明のどこが届かないのか、そして決まりごとをその場で相手のことばに変えて渡すには何が要るのかを整理します。
この記事の場面を、40秒の動画で
入居説明の場面です。ベトナム人の入居者の「日本語が読めないのでこの紙が分からない」から、ゴミの曜日と時間がその場で渡るまでを40秒にまとめました。
ゴミの曜日と時間、夜の音、共用部の使い方。ここだけは入居のその場で相手のことばにしておくと、あとが変わります。
端末の中だけで訳すので、勤め先や連絡先がサーバーへ送られません。
入居説明は鍵を渡す現地で行います。Wi-Fiが無くても、通信を使わないので止まりません。
渡したことと、伝わったことは別
入居説明で渡す書面は、会社ごとに整っています。ゴミの分別表、騒音の注意、共用部の決まりごと、緊急連絡先。渡すところまでは、どの会社もできています。
届いていないのは、その先です。日本語の書面は、日本語が読める人にしか読めません。多言語版を用意している会社もありますが、その人の母語とは限らないうえに、書面は一方通行です。「これはどういう意味ですか」を聞く道がありません。
結果、入居者は分からないまま暮らし始めます。決まりを破っているという自覚は無く、苦情が来て初めて知ります。いちばんもったいない知り方です。
苦情になるのは、いつも同じ3つ
管理会社に来る苦情は、驚くほど決まっています。ゴミの出し方、夜の音、共用部の使い方の3つです。
共通しているのは、どれも「日本ではふつう」で説明が省かれやすいことです。ゴミを曜日で分けて朝に出すこと、夜10時以降は音を立てないこと、廊下に物を置かないこと。母国に同じ習慣が無ければ、言われなければ分かりません。
逆に言えば、この3つだけを入居のその場で相手のことばにしておけば、苦情の大半は来なくなります。書面に書いてある、では足りません。読めない文字は、書いてあっても伝わっていないのと同じです。
翻訳アプリを現地で使えなかった理由
すでにスマートフォンの翻訳アプリを試した管理会社の方も多いはずです。そして、たいてい2つの壁にぶつかります。
1つめは電波です。入居説明は鍵を渡す現地で行います。空室にWi-Fiはありません。鉄筋の建物の内側や地下の駐車場では電波が細くなります。多くの翻訳アプリは声をいったんサーバーへ送るので、電波が無いと止まります。
2つめは入居者の情報です。勤め先、緊急連絡先、家族構成、在留資格。入居説明の会話には個人情報が普通に混ざります。それを社外のサーバーへ送ってよいのか——ここで手が止まる会社を実際に見てきました。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
空室でも、内廊下でも、地下の駐車場でも動きます。機内モードのままでも動きます。通信していないので、入居者の勤め先も連絡先も、どこへも送られません。
対応は86言語です。ベトナム語・中国語・ネパール語・インドネシア語・フィリピノ語・ポルトガル語・韓国語など、入居される方のことばは入っています。
入居説明のその場で、渡す順番
使い方は簡単です。アプリで「対面」モードを選び、相手の言語を選ぶ。玄関の上がり口にスマホを置いて、日本語で話す。相手のことばで訳が出て、読み上げも流れます。相手が話せば、日本語になって返ってきます。
順番を決めておくと速く終わります。①ゴミの曜日と時間 ②夜の音 ③共用部 ④困ったときの連絡先 ⑤「分からないところは」と聞く。⑤が大事です。動画の「この紙が分かりません」は、聞かれて初めて出てくる言葉です。
曜日と時間は、必ず画面の文字で確かめます。「火曜と金曜」「朝8時まで」。声だけで進めると、ここが聞き違いになります。訳文を画面に出したまま、書面の該当箇所を一緒に指さすと確実です。
社内で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを書面と通訳にするか。暮らしの決まりごとの説明まではアプリ、契約そのものは母国語の書面と正式な手順、と線を引いておくと現場が迷いません。
2つめは訳文を残すかどうかです。「説明した」の記録として画面を写真に残すのか、確認だけに使うのか。あとで「聞いていない」になりやすい項目ほど、残しておくと安心です。
3つめは端末です。現地に持ち出す1台を決めて、そこに言語データを入れておくのがいちばん楽です。念のため書いておくと、契約や重要事項説明は、必ず正式な手順で行ってください。アプリはその手前の説明を確実にするための道具です。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
契約や重要事項説明は、母国語の書面と通訳など正式な手順で行ってください。このアプリは、暮らしの決まりごとの説明など、その手前の確認を確実にするための道具です。
86言語です。ベトナム語・中国語・ネパール語・インドネシア語・フィリピノ語・ポルトガル語・韓国語・英語など、入居される方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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