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採るか採らないかで、値段が変わる。農園の外国人実習生に収穫の基準を渡す

2026.09.15

農園で技能実習生や特定技能の外国人スタッフに収穫の基準(色・大きさ・熟度)が伝わらないと、採り直しと出荷のロスになります。畑で翻訳アプリが動かない理由と、電波が無くても「どれを採るか」をその場で渡す方法をまとめました。

朝もやの果樹園で、帽子をかぶった農家の男性がかごを持ったインドネシア人の若い実習生と並んで立っている

果樹農家の方から伺った話です。収穫の朝、インドネシアから来た実習生に、採っていいものを教える。赤いものを見せて、青いものを見せて、うなずいてもらう。昼に見たら、かごの半分が青い。

実習生は怠けていたわけではありません。「どこからが赤か」が分からなかっただけです。色の境目は、見せるだけでは伝わりません。そして畑は圏外で、聞き返す手段もありませんでした。

この記事では、収穫の指示のどこが抜けるのか、そして電波の無い畑で「どれを採るか」を渡すには何が要るのかを整理します。

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抜けるのは「見本」ではなく「境目」

赤と青は見せられます。「これは採る、これは残す」の境目は言葉が要ります。

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畑は電波が無い

山あいの農地はたいてい圏外です。通信を使わないので、畑の真ん中でも動きます。

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採り直しは、そのまま出荷のロス

基準が一度で伝われば、朝の1分が午後の1時間になります。

見せても伝わらないのは「境目」

収穫の指示のうち「この色を採る」は、見本を見せれば伝わります。実習生は見本どおりのものを採ってきます。止まるのはそこではありません。

止まるのは、見本と見本の間です。「これは赤いけどまだ早い」「これは少し青いけど今日採らないと明日は遅い」「大きくても形が悪ければ残す」。見本には無い判断が、口頭でしか伝わらないのに、口頭では伝わらない。

結果、かごには境目の判断が入っていない果実が混ざります。採り直しは、その日の出荷のロスです。そして翌日も同じことが起きます。

農家の手が、同じ枝についた赤い実と青い実を並べて持っている
「これは採る、これは残す」の境目は、見せるだけでは伝わりません。

畑には、聞き返す相手がいない

農作業は、広い畑に少人数で散らばります。実習生が迷ったとき、近くに聞ける人がいません。農家の方は別の列にいて、声も届きません。

そして、分からないまま止まっていると、遅れているように見えます。聞くより、採ったほうが楽になる。それが青い実の正体です。責める話ではなく、構造の話です。

聞き返せる手段が手元にあれば、迷った実を持って聞きに行けます。その1往復があるかどうかで、午後のかごの中身が変わります。

翻訳アプリを畑で使えなかった理由

すでにスマートフォンの翻訳アプリを試した農家の方も多いはずです。そして、畑では1つの壁にぶつかります。電波です。

山あいの農地、谷あいの果樹園、ビニールハウスの奥。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。電波が無ければ、何も返ってきません。いちばん指示が要る場所で、いちばん動かない道具になっていました。

「事前にダウンロードすればオフラインで使える」と書かれたアプリでも、文字の翻訳だけがオフライン対応で、声の聞き取りや読み上げは通信が要るものが多くあります。手が土で汚れている畑で、文字を打つのは現実的ではありません。

夜明けの果樹園。朝もやの中に木の列が続き、遠くに低い山が見える
畑は圏外です。手元で動く道具が要ります。

通信を使わない翻訳、という選択肢

私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。

畑の真ん中でも、ハウスの奥でも、機内モードのままでも動きます。要るのは電池だけです。声で話して声で返ってくるので、手が汚れていても使えます。

対応は86言語です。インドネシア語・ベトナム語・中国語・フィリピノ語・ミャンマー語・カンボジアのクメール語・ネパール語など、農業の現場に実際にいる方のことばは入っています。

収穫の朝、畑に出る前の1分

使い方は簡単です。アプリで「対面」モードを選び、相手の言語を選ぶ。軽トラの荷台にスマホを置いて、日本語で話す。相手のことばで訳が出て、読み上げも流れます。相手が話せば、日本語になって返ってきます。

畑に出る前に1分だけ使います。順番は①今日採るものを相手に言ってもらう ②採る基準と残す基準を1つずつ ③迷ったらどうするか。①が大事です。こちらが説明するのではなく、相手に言ってもらうと、抜けている部分がその場で見えます。

③がいちばん効きます。「迷ったら採らずに持ってきて」。動画の「どれを採っていいか分からない」は、この道があって初めて出てくる言葉です。聞ける道が無いと、青い実になります。

農薬と機械のことは、必ず確かめる

最後に、いちばん大事なことを書いておきます。農薬の散布のあとに入ってはいけない期間、機械の扱い、刃物の向き。安全に関わる指示は、伝わったつもりで済ませないでください。

農作業の事故は、知らなかったことから起きます。訳文を画面に出して、読んでもらって、うなずいてもらう。この30秒を惜しまないでください。

英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、採る基準と危ないことだけを、確実に一度伝えることです。

よくある質問

畑で完全に圏外でも使えますか

使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。

手が汚れていても使えますか

声で話して声で返ってくるので、画面を触るのはボタンを押すときだけです。防水ケースに入れておくと安心です。

出荷先や取引の話が外部に送られませんか

送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。

どの言語に対応していますか

86言語です。インドネシア語・ベトナム語・中国語・フィリピノ語・ミャンマー語・クメール語・ネパール語・英語など、農業の現場で必要になるものは入っています。

料金はかかりますか

基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。

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この記事のアプリは、無料ではじめられます。

iPhone・Androidどちらでも使えます。

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