「見えますか」は身振りで聞けない。眼鏡店で、外国人のお客様に
眼鏡店で外国人のお客様に視力測定の「見えますか」「どちらがはっきりしますか」や、レンズの取り寄せと受け取り日が伝わらないと、合わない眼鏡と行き違いになります。測定と受け渡しをその場で確実に進める方法をまとめました。
眼鏡店のスタッフの方から伺った話です。ブラジルから来たお客様。視力を測りたい。「これは見えますか」「1と2、どちらがはっきりしますか」。測定は、この往復の繰り返しです。身振りでは進みません。
どうにか測って、レンズを選んで、会計。お客様は「今日持って帰れる」と思っている。レンズは取り寄せで一週間後。それが伝わらないまま、お客様は待って、店は困る。
この記事では、眼鏡店のどこで止まるのか、そして測定と受け取り日を、その場で確実に進めるには何が要るのかを整理します。
この記事の場面を、40秒の動画で
眼鏡店のカウンターの場面です。ブラジル人のお客様の「今日持って帰れますか」に、「レンズを取り寄せるので一週間後」がその場で伝わり、待ってもらえるまでを40秒にまとめました。
一方通行では測れません。相手の答えが日本語で返ってくる道が要ります。
「一週間後」は声だけだと聞き違いになります。画面の文字で日付を確かめます。
端末の中だけで訳すので、度数や連絡先がサーバーへ送られません。
視力測定は、往復でしか進まない
眼鏡店の仕事の中で、視力測定はいちばん言葉に頼っています。「これは見えますか」「1と2、どちらがはっきりしますか」「ぼやけますか、二重に見えますか」。こちらが聞き、相手が答え、それで次のレンズが決まります。
身振りでは、この往復ができません。「見えるか」を指では聞けず、「どちらがはっきりか」を指では答えられません。一方通行の道具では、測定そのものが成立しないのです。
結果、だいたいの度数で作ることになります。合わない眼鏡は、頭痛と目の疲れになって戻ってきます。測定の質は、言葉の往復の質で決まります。
受け取り日が伝わらないと、行き違いになる
測定が終わっても、もう1つ止まるところがあります。受け渡しです。
在庫のあるレンズなら当日渡せます。取り寄せなら一週間。お客様は「今日持って帰れる」と思って来ています。「一週間後」が伝わらないと、お客様は店で待ち続けるか、後日また来て「まだですか」になります。
旅行中のお客様なら、さらに困ります。帰国日の前に受け取れるのか、郵送できるのか、海外へ送れるのか。その人の日程に合わせた案内は、貼り紙ではできません。
翻訳アプリを店で使いにくかった理由
すでにスマートフォンの翻訳アプリを試したスタッフの方も多いはずです。そして、たいてい2つのところで立ち止まります。
1つめは手がふさがることです。測定器を操作し、レンズを差し替え、フレームを渡している。画面をタップして、持ち替えて、相手に見せる往復が、測定のリズムを壊します。
2つめはお客様の情報です。度数、目の症状、連絡先、旅行の日程。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。それを社外のサーバーへ通してよいのか。ここで判断が止まります。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
通信していないので、お客様の度数も連絡先も、どこへも送られません。ビルの中の店舗で電波が細くても、機内モードのままでも動きます。
対応は86言語です。ポルトガル語・中国語・韓国語・英語・ベトナム語・タイ語・スペイン語など、実際に来店されるお客様のことばは入っています。
測定台の横で、進める順番
測定台の横にスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、向かい合って座ったまま、持ち替えずにやり取りができます。スタッフが日本語で話す、お客様のことばで出る。お客様が話す、日本語で出る。測定の往復が、そのまま成立します。
受け渡しの説明も順番を決めておくと速く終わります。①当日渡せるか、取り寄せか ②取り寄せなら何日後か ③旅行中なら帰国日と受け取り方 ④「気になることは」と聞く。動画の「今日持って帰れますか」は①で出てきます。
受け取り日は、必ず画面の文字で確かめます。「一週間後」「10月15日」。訳文は文字でも残るので、引換券と画面を並べて、日付を一緒に指さします。声だけで進めると、ここが行き違いになります。
目の症状は、必ず眼科へつなぐ
最後に、いちばん大事なことを書いておきます。急に見えにくくなった、痛みがある、二重に見える——目の症状の話が出たら、必ず眼科の受診を勧めてください。
アプリは、視力測定の往復と受け渡しの説明を確実にするための道具です。医療の判断の代わりにはなりません。「これは眼科で診てもらってください」の一言も、相手のことばで渡せます。つなぐべき場面を、言葉の壁で見逃さないことが、いちばんの安全です。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、「見えますか」の往復と受け取り日だけを、確実に進めることです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
測定台の横に置いたまま、持ち替えずにやり取りできます。操作は「話す」だけです。
86言語です。ポルトガル語・中国語・韓国語・英語・ベトナム語・タイ語・スペイン語など、来店されるお客様のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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