本番で迷わないために。マンションの避難訓練で外国人の住民に「階段から」「エレベーターは使わない」をその場で通す
マンションの避難訓練で外国人の住民に「廊下の奥の階段から」「エレベーターは使わない」「避難場所はここ」が伝わらないと、本番で迷います。外国人世帯が増える集合住宅で実際に起きている訓練の空回りと、災害で通信が止まった日にも動く道具で、その場で経路を渡す方法をまとめました。
マンションの管理人の方から伺った話です。年に一度の避難訓練。中国出身の住民の方が、廊下で立ち止まって「火事のとき、どこから逃げるのか」と聞いてきた。答えは「奥の階段から。エレベーターは使わない」。でも、それが言えない。
身振りで階段を指した。その方はうなずいた。でも「エレベーターは使わない」は、身振りでは伝わらない。本番でエレベーターに乗れば、閉じ込められます。
この記事では、避難訓練でなぜ外国人の住民に経路が渡らないのか、そして災害で通信が止まった日にも動く道具で、その場で渡すには何が要るのかを整理します。
階段の場所より先に、これを渡します。本番で閉じ込められないための一言です。
災害の日はネットが混み、電波が止まります。通信を使わない道具でなければ、本番で役に立ちません。
本番で説明する時間はありません。訓練の日の10秒で、経路を渡します。
本番で迷わないために、訓練の日に渡す
マンションの避難訓練には、決まった中身があります。避難経路、階段の場所、エレベーターを使わないこと、避難場所、安否確認の方法。管理組合や管理会社が、年に一度、住民に渡します。
外国人の住民の場合、壁は掲示と放送です。避難経路図は日本語で、放送も日本語。多言語の図を貼っているマンションもありますが、「エレベーターは使わない」のような行動の禁止は、図では伝わりません。
管理人の方が言われたのは、「本番で説明する時間は無い。訓練の日に渡しておくしかない」ということでした。訓練は、渡すための日です。
集合住宅で、実際に起きていること
外国人世帯の多いマンションや団地は、都市部にも地方にも増えています。中国、ベトナム、ネパール、ブラジル。日本語の日常会話はできても、「避難」「安否」「一時集合場所」のような防災のことばは、入っていないことがあります。
訓練に参加してもらえても、放送の内容が分からず、ただ集まって解散する。訓練が、参加した人の中で空回りしている。そして本番の日、その人は自分の判断で動くことになります。
もう1つ。災害の日は、通信が止まります。電話がつながらず、ネットが混み、翻訳アプリは読み込み中のまま止まる。本番に頼れる道具は、通信を使わないものだけです。
避難訓練で翻訳アプリが使えなかった理由
スマートフォンの翻訳アプリを避難訓練で試した管理人もいます。壁は2つです。1つめは本番で使えないことです。訓練の日は電波があっても、災害の日は無い。訓練で使った道具が本番で動かなければ、訓練の意味がありません。
2つめは階段や廊下の電波です。非常階段はコンクリートに囲まれていて、訓練の日でも電波が細い。多くの翻訳アプリは声をインターネットの向こうへ送るので、階段の途中で止まります。
必要なのは、通信が完全に止まっていても、階段の中でも動く道具です。訓練でも本番でも、同じように。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
非常階段の中でも、通信が止まった災害の日でも、機内モードのままでも動きます。要るのは電池だけです。訓練の日と本番の日で、動き方が変わりません。
対応は86言語です。中国語・ベトナム語・ネパール語・ポルトガル語・韓国語・英語・フィリピン語(タガログ語)など、実際に住んでいる方のことばは入っています。
訓練の日の10秒で、経路を1つ渡す
訓練の日、管理人がスマホを1台持って廊下に立ちます。住民が話すと日本語で出て、管理人が日本語で話すと相手のことばで出ます。階段を指さしながら、向かい合ったまま使えます。
渡すのは、経路1つと禁止1つです。「廊下の奥の階段から、外に出てください。エレベーターは使わないでください」。動画の「火災が発生したとき、どこから逃げ出せばいいですか」には、この一言を返します。「使わない」まで渡って、初めて本番で迷いません。
避難場所の名前は、必ず画面の文字で。訳文は文字でも出るので、「〇〇公園」「〇〇小学校」のような固有の場所は、避難経路図と画面を並べて、一緒に指さして確認します。
管理組合で先に決めておくと、迷わない
導入の前に決めておくとよいことが2つあります。1つめは訓練の定型文です。「奥の階段から外へ」「エレベーターは使わない」「集まる場所はここ」「大丈夫か教えてください」。この4つを一度声に出して通しておくと、訓練の日にそのまま出てきます。
2つめは端末の置き場所です。管理人室に1台、言語データを入れた状態で。災害の日に管理人室から持ち出せる位置に置いておきます。充電も忘れずに。
中国語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、訓練の日に「階段から」「エレベーターは使わない」を、確実に一度渡すことです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、通信が完全に止まっていても、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
使えます。電波の有無に関係なく動きます。
近くで話せば聞き取れます。音が大きいときは、画面の文字で確認してください。訳文は文字でも出ます。
86言語です。中国語・ベトナム語・ネパール語・ポルトガル語・韓国語・英語・フィリピン語など、住んでいる方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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