登録が要る理由は、説明されていない。自転車店で、外国人のお客様に「なぜ」まで渡す
自転車店で外国人のお客様に防犯登録の意味が伝わらないと、「なぜお金を払って登録するのか」で止まります。登録が義務であること、盗難のときに戻ってくる仕組み、なぜ要るのかを理由まで渡す方法をまとめました。留学生・実習生の多い地域の自転車店向けです。
自転車店の店主さんから伺った話です。タイから来た留学生が、中古の自転車を買いに来る。会計のあと、防犯登録の話をする。「なぜ」という顔をされる。お金がかかる。書類を書く。何のために。
店主のほうは、理由を持っています。登録がないと、盗まれて見つかっても持ち主が分からない。警察に止められたとき、自分のものだと証明できない。理由はあるのに、手続きしか渡せない。
この記事では、防犯登録のどこが伝わらないのか、そして「なぜ要るのか」まで渡すには何が要るのかを整理します。
用紙と料金は指させます。「盗まれても戻ってこない」は言葉が要ります。
日本では自転車の防犯登録は法律で決まっています。知らないまま乗っている方が、実は多い。
端末の中だけで訳すので、登録に必要な氏名・住所がサーバーへ送られません。
防犯登録は、日本独特の仕組み
自転車の防犯登録は、日本では法律で決まった義務です。ただ、海外には同じ仕組みがほとんど無いため、外国人のお客様には「なぜお金を払って紙を書くのか」が分かりません。
手続きそのものは簡単です。用紙に氏名と住所を書き、料金を払い、シールを貼る。止まるのはそこではなく、「なぜ」の部分です。理由が分からないまま払うお金は、ただの余計な出費に見えます。
理由が伝わらないと、登録しないまま乗る方も出ます。そして盗まれたとき、見つかっても持ち主が分からず、戻ってきません。いちばんもったいない知り方です。
「なぜ」が渡ると、納得して登録してもらえる
防犯登録の理由は、実は2つだけです。①盗まれて見つかったとき、持ち主が分かる ②警察に止められたとき、自分のものだと証明できる。この2つが渡れば、料金は納得の出費になります。
特に②は、留学生や実習生の方に大事な話です。日本では警察が自転車を止めて確認することがあります。登録があればすぐ終わり、なければ長く止められます。知らないと、こわい思いをします。
逆に言えば、この2つだけを会計のその場で相手のことばにしておけば、「なぜ」の顔はなくなります。手続きの説明ではなく、理由の説明が要るのです。
翻訳アプリを店で使いにくかった理由
すでにスマートフォンの翻訳アプリを試した店主さんも多いはずです。そして、たいてい1つのところで立ち止まります。お客様の情報です。
防犯登録には氏名、住所、電話番号が要ります。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。登録に使う個人情報を、社外のサーバーへ通してよいのか。個人商店であっても、気にする方は気にします。
もう1つ、シャッターを半分閉めた作業場や、ビルの中の店舗では電波が細くなります。お客様を自転車の横に立たせたまま「読み込み中」は、気まずい時間です。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
作業場でも、ビルの中でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、お客様の氏名も住所も、どこへも送られません。
対応は86言語です。タイ語・ベトナム語・中国語・ネパール語・インドネシア語・ミャンマー語・英語など、実際に来店される留学生や実習生のことばは入っています。
会計のあとの1分で、渡す順番
カウンターにスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、カウンター越しに、持ち替えずにやり取りができます。店員が日本語で話す、お客様のことばで出る。お客様が話す、日本語で出る。
順番を決めておくと1分で終わります。①登録は日本の決まりであること ②登録がないと、盗まれて見つかっても戻ってこないこと ③警察に止められたとき、登録があればすぐ終わること ④料金と、書いてもらうこと。動画の「どうしてこんなことをするのですか」は、①の手前で出てくる質問です。②③が答えです。
料金は、必ず画面の文字で確かめます。訳文は文字でも残るので、用紙と画面を並べて、書く場所を一緒に指さすと確実です。
店で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが2つあります。1つめは渡す理由を2つに絞ること。「盗まれても戻ってこない」「警察に止められたときのため」。この2つを声に出して通しておくと、本番でそのまま出てきます。
2つめは端末です。店の共用の1台にしておくと、言語データの管理が一本化できます。留学生の多い地域なら、その国のことばだけ先に入れておけば足ります。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、手続きではなく理由を、確実に一度渡すことです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
「どこに何を書くか」の案内には使えます。用紙そのものは正式な様式で記入してもらってください。
86言語です。タイ語・ベトナム語・中国語・ネパール語・インドネシア語・ミャンマー語・英語など、来店される留学生や実習生のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
こちらの記事もどうぞ
海外旅行で言葉が通じないとき|黙ってしまう前にできること 旅先で困るのは英語力の不足ではなく、確認できないまま進んでしまうことです。
スマホは翻訳し続けると熱くなる|10分で2〜3割遅くなる実測 長時間の連続通訳では、端末の熱が現実的な上限になります。実際に測った数字です。
4分が11秒になった一行|Androidでオフライン翻訳を速くした話 スマホの中でAIの翻訳を動かすと何が起きるか。実際に測った数字だけで書いた開発の記録です。
避難所で外国人住民に案内が届かない|電波が消えた夜に、自主防災でできること 災害のとき、電波はいちばん先に消えます。その夜に翻訳アプリが動かない理由と、動く選択肢をまとめました。