深夜のフロントは、たいてい一人。外国人のお客様に館内案内を渡しきる
ホテル・旅館の深夜チェックインで、外国人のお客様に朝食の時間・大浴場・チェックアウトなどの館内案内が伝わらないと、翌朝の問い合わせと苦情になります。一人体制のフロントで、英語ができなくても館内案内を渡しきる方法をまとめました。
ビジネスホテルの夜勤の方から伺った話です。深夜1時、韓国からのお客様がチェックインに来られる。鍵は渡せる。でも「朝食は何時から」に答えられない。
フロントは一人です。日中なら英語ができる同僚を呼べますが、深夜は誰もいません。指で「7」を示して、うなずいてもらって、終わり。翌朝、食堂の場所が分からず、フロントに戻ってくる。
この記事では、深夜のチェックインのどこで止まるのか、そして一人のフロントで館内案内を渡しきるには何が要るのかを整理します。
一人体制のフロントで、その場で答える手段が要ります。翌朝に回すと問い合わせになります。
「7時から9時、2階」は声だけだと聞き違いになります。画面の文字で確かめます。
端末の中だけで訳すので、宿泊者の名前や部屋番号がサーバーへ送られません。
渡せるのは鍵まで。館内案内は届かない
チェックインの手続きそのものは、言葉が無くてもどうにかなります。パスポートを預かり、用紙に記入してもらい、鍵を渡す。ここまでは、どのホテルもできています。
届かないのは、そのあとの館内案内です。朝食の時間と場所、大浴場の利用時間、チェックアウトの時刻、Wi-Fiの使い方、コインランドリー。鍵と一緒に渡すはずの情報が、言葉の壁でこぼれます。
こぼれた情報は、翌朝の問い合わせになって戻ってきます。食堂が分からない、大浴場が閉まっていた、チェックアウトが遅れた。深夜に渡せなかった3分が、翌朝の30分になります。
多言語の案内カードがあっても足りない理由
英語・中国語・韓国語の館内案内カードを用意しているホテルは多いです。これはとても有効で、決まった案内はこれで届きます。
足りないのは、その人だけの質問です。「朝食は部屋に運べますか」「明日早いので6時に出たいのですが」「隣の部屋がうるさいのですが」。カードには書いていない、その夜のその人の事情に、その場で答えられるかどうか。
そして深夜は、答えられないと「明日、日中のスタッフに聞いてください」になります。お客様にとっては、聞きたいときに答えてもらえなかったという体験だけが残ります。
翻訳アプリをフロントで使いにくかった理由
夜勤の方の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで乗り切った方もいます。そして、たいてい2つのところで立ち止まります。
1つめはお客様の情報です。名前、部屋番号、滞在日程、支払いの話。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。宿泊者の情報を社外のサーバーへ通してよいのか。ここで支配人の判断が止まります。
2つめはカウンター越しの往復です。画面をタップして、持ち替えて、相手に見せる。この往復がチェックインの流れを止め、後ろに並ぶお客様を待たせます。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
通信していないので、お客様の名前も部屋番号も、どこへも送られません。地下のフロントや山あいの宿で電波が細くても、機内モードのままでも動きます。
対応は86言語です。韓国語・中国語・英語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・フランス語・スペイン語など、実際に宿泊されるお客様のことばは入っています。
チェックインの3分で、渡す順番
カウンターにスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、カウンター越しに、持ち替えずにやり取りができます。フロントが日本語で話す、お客様のことばで出る。お客様が話す、日本語で出る。
渡す順番を決めておくと3分で終わります。①朝食の時間と場所 ②大浴場・設備の時間 ③チェックアウトの時刻 ④「ほかに聞きたいことは」と聞く。動画の「朝食は何時から」は①ですが、④で出てくる質問こそ、翌朝の問い合わせの種です。
時間と階数は、必ず画面の文字で確かめます。「7時から9時」「2階」。声だけで進めると、ここが聞き違いになります。訳文は文字でも残るので、案内カードと画面を並べて指さすと確実です。
館内で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを書面や日中のスタッフにするか。館内案内と当夜の質問まではアプリ、料金や契約に関わる話は正式な書面と日中の担当、と線を引いておくと夜勤が迷いません。
2つめは端末です。夜勤の個人のスマホではなくフロント共用の1台にしておくと、言語データの管理と情報管理の説明が一本化できます。3つめは訓練です。一度声に出して「朝食は7時から9時までです」を通しておくと、本番の深夜にそのまま出てきます。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、鍵と一緒に渡すはずの案内を、確実に一度渡しきることです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
扱えます。カウンターに1台置くだけで、持ち替えずにやり取りできます。操作は「話す」だけです。
86言語です。韓国語・中国語・英語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・フランス語・スペイン語など、宿泊されるお客様のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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