通訳を待つ数週間を、その日のうちに。外国人の保護者との面談で
学校の保護者面談に外国人の保護者が来られるとき、通訳の手配に数週間かかる、子どもの成績や家庭の話を外部に出せない、という2つの壁があります。面談の場で、その日のうちに、外に出さずに話すための方法をまとめました。
小学校の先生から伺った話です。ペルーから来たお父さんが、面談で何かを伝えようとしている。表情で、心配していることは分かる。でも、何を心配しているのかが分からない。
通訳を頼めば来てくれます。ただ、自治体の通訳派遣は順番待ちで、次に話せるのは数週間先。そのあいだ、お父さんの心配はそのまま家に持ち帰られます。子どものほうは、毎日教室に来ています。
この記事では、外国人の保護者との面談がどこで止まるのか、そして通訳を待たずにその日のうちに話すには何が要るのかを整理します。通訳を否定する話ではありません。通訳が来るまでの時間の話です。
通訳の順番待ちのあいだ、子どもは毎日登校しています。「今日の話」は今日のうちに済ませられます。
端末の中だけで訳すので、面談の中身がサーバーへ送られません。学校の情報管理の規程と両立します。
声だけで進めず、画面の文字を一緒に見て確認できます。聞き違いが起きにくくなります。
面談で止まるのは「話す前」と「話したあと」
外国人の保護者との面談は、日程を組む段階からつまずきます。案内のプリントが読めない、電話がつながらない、来てもらえたと思ったら通訳が間に合わない。面談そのものより、その前後で止まります。
そして席についたあとも、話は進みません。「元気ですか」「はい」で終わってしまう。先生のほうは伝えたいことがある。保護者のほうにも聞きたいことがある。お互いに言葉を持っているのに、間に道が無い状態です。
いちばん困るのは、保護者が黙ってしまうことです。うまく聞けないと感じたら、それ以上は聞かなくなります。心配ごとは、話されないまま家に戻ります。
通訳派遣は、いちばん要る日に来ない
自治体や教育委員会の通訳派遣は、年々整ってきています。それでも学校から聞こえてくるのは、「頼んでから来るまでに、面談の日が過ぎてしまう」という声です。
面談週間は全校で一斉です。通訳は地域に数人しかいません。順番が回ってくる頃には、話したかったことの半分は忘れられています。いちばん要る日に来ないのは、誰のせいでもなく、仕組みの問題です。
大事な場面には通訳が要ります。進路や特別支援、トラブルの説明のように、正確さと責任が要る話は必ず通訳を入れるべきです。ただ、そこに至る手前の「普段の様子」の共有まで通訳を待っていると、共有の機会そのものがなくなります。
翻訳アプリを学校で使えなかった理由
先生の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで面談を乗り切った方もいます。そして、たいてい2つのところで立ち止まります。
1つめは情報管理です。子どもの成績、家庭の事情、健康のこと。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。学校が扱う個人情報を、社外のサーバーへ通してよいのか。ここで管理職の判断が止まります。
2つめは電波です。校舎は鉄筋で、1階の奥や特別教室では電波が細くなります。面談の途中で「読み込み中」のまま止まると、その沈黙がいちばん気まずい時間になります。
この2つは同じ1つの原因から来ています。訳す場所が端末の外にあることです。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
校舎の奥でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、子どもの成績も家庭の話も、どこへも送られません。情報管理の規程との整合を、先生が自分の言葉で説明できます。
対応は86言語です。ポルトガル語・スペイン語・中国語・ベトナム語・フィリピノ語・ネパール語など、実際に保護者として来られる方のことばは入っています。
面談のその場で、そのまま使える流れ
机の上にスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、向かい合って座ったまま、持ち替えずにやり取りができます。先生が日本語で話す、保護者のことばで出る。保護者が話す、日本語で出る。それだけです。
順番を決めておくと落ち着いて進みます。①学校での様子 ②家での様子を聞く ③心配ごとがあるか聞く ④次に会う日。動画のお父さんの「家であまり話さない」は、③で初めて出てきます。聞かれなければ、言われません。
訳文は文字でも出るので、数字と固有名詞は画面を一緒に見て確かめます。日付、持ち物、集合時間。ここだけは声だけで済ませないほうが安全です。
学校で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを通訳にするか。普段の様子の共有と日程の連絡まではアプリ、進路・支援・トラブルは通訳、と線を引いておくと先生が迷いません。
2つめは記録に残すかどうか。訳文をそのまま面談記録に写すのか、確認だけに使うのか。学校ごとに決めておきます。3つめは端末です。個人のスマホではなく学校の共用端末に入れておくと、情報管理の説明が楽になります。
念のため書いておきます。正確さと責任が要る説明には、必ず通訳を入れてください。このアプリは、通訳が来るまでのあいだ、話す機会そのものを失わないための道具です。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。学校の情報管理の規程との整合も説明しやすくなります。
なりません。進路・特別支援・トラブルの説明など、正確さと責任が要る場面では通訳を入れてください。このアプリは、通訳が来るまでのあいだの共有を確実にするための道具です。
86言語です。ポルトガル語・スペイン語・中国語・ベトナム語・フィリピノ語・ネパール語・英語など、保護者として来られる方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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