「今日も元気でした」で終わらせない。保育園の送り迎えで、外国人の保護者に
保育園の送り迎えで、外国人の保護者に体温・食事・けがなど子どもの一日を伝えられないと、お互いに不安なまま帰ることになります。連絡帳が読めない理由、翻訳アプリが園で使いにくい理由、送り迎えの3分でその日のことを渡す方法をまとめました。
保育士の方から伺った話です。お迎えに来たブラジル人のお母さんが、何か心配そうにしている。朝、熱っぽかったのかもしれない。こちらは「元気でしたよ」としか言えない。
園では、お昼寝のあとに熱を測っています。平熱でした。よく遊んでいました。渡したい情報はあるのに、渡す道が無い。お母さんは、心配なまま連れて帰ります。
この記事では、送り迎えのどこで止まるのか、そして3分でその日の一日を渡すには何が要るのかを整理します。
体温、食べた量、けが、昼寝の時間。ここが渡れば、保護者は安心して帰れます。
端末の中だけで訳すので、体調や家庭の事情がサーバーへ送られません。
お迎えの列が続く時間帯に、通訳を待たずにその場で。
送り迎えの3分で、渡るのは「元気でした」まで
保育園の送り迎えは、いちばん短い保護者面談です。朝は「よろしくお願いします」、夕方は「今日も元気でした」。日本語が通じる保護者とも、この短さでやり取りしています。
外国人の保護者との間では、ここがさらに短くなります。「元気でした」と笑顔だけ。渡したいことはあるのに、渡す言葉が無い。お昼寝のあとの体温、おやつを食べなかったこと、転んで膝をすりむいたこと。
そして保護者のほうも、朝の心配を言えないまま預けます。「朝、少し熱っぽかった」を言えなければ、園も知らないまま一日を始めます。お互いに、いちばん大事な情報を持ったまま黙っている状態です。
連絡帳が読めない、書けない
保育園には連絡帳があります。園での様子を書き、家での様子を書いてもらう。とてもよい仕組みです。ただ、日本語で書かれた連絡帳は、日本語が読める人にしか届きません。
多言語の連絡帳や、絵と記号で伝える工夫をしている園もあります。それでも「今日は転んで膝をすりむいたので消毒しました。泣きましたがすぐ遊びに戻りました」のようなその日だけの出来事は、記号では書けません。
保護者側も同じです。「朝、少し熱っぽかった」「昨日、夜中に何度も起きた」を日本語で書けない。書けないことは、園に届きません。
翻訳アプリを園で使いにくかった理由
保育士の方の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで乗り切った方もいます。そして、たいてい2つのところで立ち止まります。
1つめは子どもの情報です。体調、アレルギー、発達のこと、家庭の事情。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。園が扱う子どもの情報を、社外のサーバーへ通してよいのか。ここで園長の判断が止まります。
2つめは手がふさがることです。片手で子どもの手を引き、もう片方で荷物を渡している。画面をタップして、持ち替えて、相手に見せる往復が、お迎えの列を止めます。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
通信していないので、子どもの体調も家庭の事情も、どこへも送られません。園の情報管理の規程と両立します。園舎の奥で電波が細くても、機内モードのままでも動きます。
対応は86言語です。ポルトガル語・ベトナム語・中国語・フィリピノ語・ネパール語・スペイン語など、実際に保護者として来られる方のことばは入っています。
お迎えの3分で、渡す順番
玄関の靴箱の上にスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、向かい合ったまま、持ち替えずにやり取りができます。保育士が日本語で話す、保護者のことばで出る。保護者が話す、日本語で出る。
渡す順番を決めておくと3分で終わります。①体温と体調 ②食べた量 ③けがや気になったこと ④明日の持ち物 ⑤「家で気になることは」と聞く。動画の「朝、少し熱っぽかった」は、⑤で初めて出てきます。聞かれなければ、言われません。
体温と持ち物は、画面の文字で確かめます。「36度8分」「明日は帽子」。声だけで進めると、ここが聞き違いになります。
園で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを通訳や書面にするか。日々の様子の共有まではアプリ、発達や健康の相談、契約や行事の重要な説明は通訳と書面、と線を引いておくと現場が迷いません。
2つめは記録に残すかどうか。訳文を連絡帳に書き写すのか、確認だけに使うのか。3つめは端末です。個人のスマホではなく園の共用端末に入れておくと、情報管理の説明が一本化できます。
念のため書いておきます。発達や健康に関わる相談、同意が要る場面では、必ず通訳を入れてください。このアプリは、毎日の3分を確実にするための道具で、通訳の代わりではありません。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。園の情報管理の規程との整合も説明しやすくなります。
なりません。発達や健康の相談、同意が要る説明では通訳を入れてください。このアプリは、毎日の送り迎えの共有を確実にするための道具です。
86言語です。ポルトガル語・ベトナム語・中国語・フィリピノ語・ネパール語・スペイン語・英語など、保護者として来られる方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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