割れ物は、割れてからでは戻せない。引っ越しの搬入で外国人の作業員に「いちばん上に」をその場で通す
引っ越しの搬入現場では、外国人の作業員に「割れ物」「いちばん上に」「この部屋」が伝わらないと、そのまま事故になります。技能実習生や留学生のアルバイトが増えた現場で実際に起きている置き間違いと、お客様の荷物の情報を外に出さずに、その場で指示を通す方法をまとめました。
引っ越し会社のリーダーの方から伺った話です。搬入の日、ベトナム人の作業員が段ボールを持ち上げて、「これ、どこ?」と目で聞いてくる。その箱は食器。いちばん上に置いてほしい。でも「割れ物」も「いちばん上」も、通じない。
身振りで上を指す。相手は棚の上に置く。積み重ねた箱の上ではなく、棚の上。置き間違いは、割れてからでは戻せません。
この記事では、搬入の現場でどの一言が通じずに事故になるのか、そしてお客様の荷物の情報を外に出さずに、その場で指示を通すには何が要るのかを整理します。
この一語が通っているかどうかで、事故の数が変わります。身振りでは代用できません。
家財、住所、家族構成。搬入の会話に含まれる情報を、外部のサーバーへ送らずに訳せます。
通信を使わないので、電波の入らない建物の中でも止まりません。
割れ物は、割れてからでは戻せない
引っ越しの搬入には、順番があります。大きな家具を先に、段ボールは部屋ごとに、割れ物はいちばん上に。慣れた作業員なら、箱の印を見て判断します。しかし、その印の意味が通じていなければ、印は無いのと同じです。
外国人の作業員が増えている現場では、この「印の意味」が伝わっていないことがあります。「ワレモノ」の文字が読めない。「上」の身振りが「棚の上」に見える。本人は真面目に働いているのに、指示の側が届いていない。
リーダーの方が言われたのは、「叱る前に、伝わっていたかを疑うようになった」ということでした。伝わっていない指示は、指示ではありません。
搬入の現場で、実際に起きていること
引っ越しの繁忙期は、技能実習生や留学生のアルバイトが現場を支えています。日本語の会話は日常レベルでできても、「割れ物」「梱包」「養生」のような現場のことばは、まだ入っていないことがあります。
そして搬入は、時間との勝負です。トラックは次の現場へ行く。エレベーターは予約時間がある。1つの指示に1分かけていると、全体が遅れます。だから身振りで済ませてしまい、事故になります。
もう1つ。搬入の会話には、お客様の情報が含まれます。どの部屋が寝室か、家族が何人か、高価な家財はどれか。この内容を無料の翻訳アプリに打ち込んでよいのか。会社として、線が要ります。
引っ越し現場で翻訳アプリが使えなかった理由
スマートフォンの翻訳アプリを試したリーダーもいます。壁は2つです。1つめは電波。新築のマンション、地下の駐車場、山あいの一軒家。搬入の現場は、電波が細い場所が多い。多くの翻訳アプリは声をインターネットの向こうへ送るので、電波が無いと止まります。
2つめは両手がふさがっていることです。箱を持ったまま画面を操作する時間はありません。押して話して、すぐ相手のことばで出る。この速さでないと、現場では使いません。
必要なのは、電波が無くても動き、話した内容が端末の外へ出ず、押して話すだけで済む道具です。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
新築の部屋でも、地下の駐車場でも、機内モードのままでも動きます。話した内容は端末の中で訳され、どこへも送られません。お客様の家財や間取りの話が、外部のサーバーに残ることはありません。
対応は86言語です。ベトナム語・中国語・インドネシア語・ネパール語・ミャンマー語・英語など、現場で実際に働く方のことばは入っています。
朝の10秒で、3つ渡す
搬入の前に、スマホを1台、玄関の棚に置きます。リーダーが日本語で話すと相手のことばで出て、作業員が話すと日本語で出ます。箱を持ったままでも、押して話すだけです。
朝いちばんに渡すのは3つです。①割れ物の印 ②どの部屋か ③いちばん上に置く箱。動画の「この箱はどこに置くべきですか」は、この3つが最初に渡っていれば、その場で答えられます。「その箱はガラスが入っているので、いちばん上に置いてください」が、そのまま相手のことばになります。
部屋の名前は、文字で確かめます。訳文は画面にも出るので、「寝室」「子ども部屋」のような固有の呼び方は、画面を一緒に見て確認します。声だけで進めると、ここが聞き違いになります。
会社で先に決めておくと、迷わない
導入の前に決めておくとよいことが2つあります。1つめは現場の定型文です。「割れ物はいちばん上に」「この部屋には入れない」「養生を先に」。よく使う10個ほどを決めて、一度声に出して通しておくと、本番でそのまま出てきます。
2つめは端末です。作業員個人のスマホではなく、トラックに1台、あるいはリーダーが持つ形にしておくと、言語データの管理が一本化できます。
英語やベトナム語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、「割れ物」の一言を、割れる前に確実に渡すことです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
話した内容は端末の中で訳され、外部のサーバーへは送られません。お客様の情報を社外に出さない、という会社の方針と両立します。
近くで話せば聞き取れます。台車の音や工事音が大きい場所では、少し離れて話すか、画面の文字で確認してください。
86言語です。ベトナム語・中国語・インドネシア語・ネパール語・ミャンマー語・英語など、現場で働く方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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