口座が作れない理由は、書類ではなく言葉。銀行の窓口で外国人のお客様に「何が要るか」を渡す
銀行や信用金庫の窓口で、外国人のお客様の口座開設が「何の書類が要るか」の説明で止まり、出直しになることが多くあります。必要書類が伝わらない理由、個人情報を外に出さずに窓口で聞き取る方法、出直しをなくす案内の順番をまとめました。
銀行の窓口の方から伺った話です。ロシアから来たお客様が、口座を作りに来られる。必要な書類を伝えたい。「パスポートと、住所が分かるもの」——この一言が渡らない。
身振りで書類を示し、うなずいてもらい、「また来てください」。お客様は仕事を休んでもう一度来ます。そして2回目も、何かが足りない。口座が作れないのは、書類の問題ではなく、何が要るかが伝わらないからでした。
この記事では、口座開設の窓口のどこで止まるのか、そして「何が要るか」をその場で渡して出直しをなくすには何が要るのかを整理します。
書類そのものは誰でも持てます。何が要るかが伝わっていないだけです。
端末の中だけで訳すので、氏名・住所・勤め先がサーバーへ送られません。金融機関の情報管理の規程と両立します。
訳文が文字で残るので、「パスポート」「住所が分かるもの」を画面で確かめられます。
止まるのは審査ではなく、その手前の案内
外国人のお客様の口座開設には、決まった手続きがあります。本人確認、在留資格の確認、住所の確認。手続きは整っています。止まるのはそこではありません。
止まるのは、その手前です。「何を持ってくればいいか」「この書類で足りるか」「いつ受け取れるか」。手続きに入る前の案内が、言葉の壁で通りません。案内が通らなければ、手続きにたどり着けません。
そして出直しになります。仕事を休んで、また窓口へ。2回、3回。口座が作れない理由は書類ではなく言葉だと、窓口の方が気づくまでに時間がかかります。
多言語の案内があっても足りない理由
多言語の口座開設の案内を用意している金融機関は増えました。必要書類の一覧、記入例、多言語のコールセンター。これはとても有効です。
足りないのは、その人の事情です。在留資格が何か、日本に来て何か月か、住民票があるか、勤め先の証明があるか。それによって必要な書類は変わります。一覧は渡せますが、「あなたの場合はこの2つ」は言葉でしか渡せません。
そして、その人の場合が伝わらないと、一覧の全部を持ってこようとして持ちきれないか、足りないまま来るかになります。出直しは、一覧では防げません。
翻訳アプリを窓口で使えなかった理由
窓口の方の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで乗り切った方もいます。そして、金融機関では1つのところで必ず止まります。個人情報です。
口座開設の会話は、氏名、住所、生年月日、勤め先、収入、在留資格——個人情報の中でも特に重いものばかりです。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。金融機関が扱う情報を、社外のサーバーへ通してよいのか。ここで、正式な導入が止まります。
もう1つ、窓口は列があります。画面をタップして、持ち替えて、相手に見せる往復が、後ろのお客様を待たせます。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
通信していないので、氏名も住所も勤め先も在留資格も、どこへも送られません。情報管理の規程との整合を、窓口の方が自分の言葉で説明できます。
対応は86言語です。ロシア語・中国語・ベトナム語・ネパール語・英語・ポルトガル語・インドネシア語・フィリピノ語など、実際に窓口に来られる方のことばは入っています。
窓口で、渡す順番
カウンターにスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、カウンター越しに、持ち替えずにやり取りができます。行員が日本語で話す、お客様のことばで出る。お客様が話す、日本語で出る。
順番を決めておくと3分で終わります。①何のための口座か ②在留資格と日本に来てからの期間 ③その人の場合に必要な書類 ④今日足りないものと、次に来る日 ⑤「分からないことは」と聞く。動画の「口座を開くのに何の書類が要りますか」は③です。①②を聞かないと、③の答えは出ません。
必要書類の名前は、必ず画面の文字で確かめます。「パスポート」「住所が分かるもの」。訳文は文字でも残るので、案内の一覧と画面を並べて、該当の項目を一緒に指さします。ここが渡れば、出直しはなくなります。
店内で線を引いておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを正式な手続きにするか。必要書類の案内と聞き取りまではアプリ、本人確認と契約そのものは正式な手順、と線を引いておくと窓口が迷いません。
2つめは訳文を残すかどうか。案内した書類の一覧を画面で残すのか、確認だけに使うのか。3つめは端末です。窓口共用の1台にしておくと、言語データの管理と情報管理の説明が一本化できます。
念のため書いておきます。本人確認・契約・重要事項の説明は、必ず正式な手順で行ってください。アプリはその手前の案内を確実にするための道具で、その代わりではありません。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。金融機関の情報管理の規程との整合も説明しやすくなります。
本人確認・契約・重要事項の説明は、正式な手順で行ってください。このアプリは、必要書類の案内と聞き取りなど、その手前を確実にするための道具です。
86言語です。ロシア語・中国語・ベトナム語・ネパール語・英語・ポルトガル語・インドネシア語・フィリピノ語など、窓口に来られる方のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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