飲む量と回数は、伝わらなければ危ない。ドラッグストアで外国人のお客様に
ドラッグストアや薬局で、外国人のお客様に市販薬の飲む量・回数・飲み合わせが伝わらないと、身振りで済ませることになります。指で「3」を示すだけでは危ない理由と、量と回数をその場で確実に渡す方法を、売り場の流れに沿ってまとめました。
ドラッグストアの登録販売者の方から伺った話です。中国からのお客様が風邪薬の箱を持って来られる。「1日に何回」と聞かれているのは分かる。指で3本立てて、うなずいてもらって、終わり。
そのあと、ずっと気になっていたそうです。「食後」は伝わったのか。「1回2錠」は伝わったのか。「ほかの薬と一緒に飲まない」は。薬の説明は、身振りで済ませてはいけない一言なのに、身振りで済ませるしかなかった。
この記事では、薬の説明のどこが抜けるのか、そして量と回数を確実に渡すには何が要るのかを整理します。
「3回」は指で示せます。「食後」「1回2錠」「ほかの薬と一緒に飲まない」は言葉が要ります。
端末の中だけで訳すので、症状や持病の話がサーバーへ送られません。
訳文が文字で出るので、量と回数を画面で一緒に見て確認できます。
指で「3」を示すだけでは足りない理由
薬の説明のうち「1日3回」は、指で示せます。お客様もうなずきます。ここで終わってしまうのが、いちばん危ないところです。
抜けるのは、回数についている条件です。食後なのか食前なのか。1回に何錠か。子どもは半分なのか。ほかの薬と一緒に飲んでいいのか。眠くなるのか。指では示せない部分が、薬の説明の本体です。
そして条件が抜けたまま飲むと、効かないか、効きすぎるか、どちらかになります。「伝わったつもり」がいちばん危ないのは、薬の売り場です。
多言語の説明書があっても足りない理由
市販薬のパッケージには、英語の表記があるものが増えました。多言語の説明カードを置く店もあります。これはとても有効です。
足りないのは、その人の事情です。「いま別の薬を飲んでいます」「妊娠しています」「子どもに飲ませたい」「アレルギーがあります」。パッケージには書けない、その人だけの条件があります。聞かなければ出てきません。
そして聞けなかったお客様は、自分の国の常識で飲みます。用量の考え方は国によって違います。聞けなかったことが、そのまま体に入ります。
翻訳アプリを売り場で使うときの引っかかり
登録販売者の方の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで乗り切った方もいます。そして、たいてい1つのところで立ち止まります。お客様の体の話です。
症状、持病、飲んでいる薬、妊娠。薬の説明には、個人情報の中でも特に重いものが混ざります。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。それを社外のサーバーへ通してよいのか。ここで店長の判断が止まります。
もう1つ、店の奥やビルの中の店舗では電波が細くなります。お客様を棚の前に立たせたまま「読み込み中」は、気まずい時間です。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
店の奥でも、ビルの中でも、機内モードのままでも動きます。通信していないので、症状も持病も飲んでいる薬も、どこへも送られません。
対応は86言語です。中国語・韓国語・英語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・ネパール語など、実際に来店されるお客様のことばは入っています。
売り場で、確かめる順番
棚の前でスマホを1台出します。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、向かい合ったまま、持ち替えずにやり取りができます。スタッフが日本語で話す、お客様のことばで出る。お客様が話す、日本語で出る。
順番を決めておくと1分で終わります。①いま飲んでいる薬があるか ②妊娠・授乳・子ども用か ③1回の量と1日の回数 ④飲むタイミング(食後など)⑤「ほかに聞きたいことは」。動画の「1日に何回」は③ですが、①②を先に聞かないと、③の答えが変わります。
量と回数は、必ず画面の文字で確かめます。「1回2錠」「1日3回」「食後」。訳文は文字でも残るので、パッケージと画面を並べて、該当の箇所を一緒に指さします。声だけで進めないことが、薬の売り場ではいちばん大事です。
薬剤師・医師につなぐ場面は、必ずつなぐ
最後に、いちばん大事なことを書いておきます。持病がある、妊娠している、ほかの薬を飲んでいる、症状が重い——この場合は、必ず薬剤師や医師につないでください。
アプリは、市販薬の基本的な説明を確実にするための道具です。判断が要る場面の代わりにはなりません。「これは薬剤師に聞いてください」の一言も、相手のことばで渡せます。つなぐべき場面を、言葉の壁で見逃さないことが、いちばんの安全です。
英語が話せるようになる必要はありません。必要なのは、量と回数と条件だけを、確実に一度確かめることです。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
なりません。持病・妊娠・飲み合わせなど判断が要る場面では、必ず薬剤師や医師につないでください。このアプリは、基本的な説明を確実にするための道具です。
86言語です。中国語・韓国語・英語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・ネパール語など、来店されるお客様のことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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