飲ませ方を自己流にされる前に。動物病院で、外国人の飼い主さんに
動物病院で外国人の飼い主さんに、薬の量・回数・飲ませ方・次の来院が伝わらないと、自己流の投薬になって治りません。診察は通じても受付で止まる理由と、飲ませ方をその場で確実に渡す方法を、受付の流れに沿ってまとめました。
動物病院の獣医師の方から伺った話です。ペルーから来た飼い主さんが、小さな犬を抱いて受付に立っている。診察は済んだ。薬も出た。「1日に何回」が伝わらない。
身振りで「2」を示して、うなずいてもらって、お渡しする。次の来院で、症状が変わっていない。聞けば、1日1回、空腹時に飲ませていた。飼い主さんは、言われたとおりにしたつもりでした。
この記事では、受付のどこで止まるのか、そして飲ませ方を自己流にされずに渡すには何が要るのかを整理します。
「2回」は指で示せます。「ごはんのあと」「1回1錠」「全部飲みきる」は言葉が要ります。
端末の中だけで訳すので、住所や既往歴がサーバーへ送られません。
日付と時間を画面の文字で確かめられるので、来院の抜けが減ります。
診察は通じる。受付で止まる
動物病院の診察は、意外と言葉が無くても進みます。触診、検査、処置。動物は言葉を話さないので、獣医師の仕事はもともと言葉に頼っていません。
止まるのは、診察のあとです。薬の飲ませ方、食事の制限、次の来院、費用。飼い主さんに渡す情報が、言葉の壁でこぼれます。診察の質は同じなのに、家に帰ってからの治療が変わります。
そして自己流の投薬は、効かないだけでは済みません。回数が多ければ副作用、少なければ悪化、途中でやめれば再発。「伝わったつもり」がいちばん危ないのは、薬の説明です。
指で「2」を示すだけでは足りない理由
薬の説明のうち「1日2回」は、指で示せます。飼い主さんもうなずきます。ここで終わってしまうのが、いちばん危ないところです。
抜けるのは、回数についている条件です。食後なのか空腹時なのか。1回に何錠か。何日間続けるか。よくなっても飲みきるのか。指では示せない部分が、投薬の本体です。
英語の説明カードを用意している病院もあります。それでも「この子は食が細いので、ごはんに混ぜても」「前の薬とは一緒に飲ませられますか」のような、その子だけの質問には、カードは答えられません。
翻訳アプリを受付で使いにくかった理由
獣医師や受付の方の中には、自分のスマートフォンの翻訳アプリで乗り切った方もいます。そして、たいてい2つのところで立ち止まります。
1つめは飼い主さんの情報です。住所、連絡先、ペットの既往歴、費用の話。多くの翻訳アプリは、話した声をいったんインターネットの向こうのサーバーへ送ります。それを社外のサーバーへ通してよいのか。ここで院長の判断が止まります。
2つめは手がふさがることです。片手で動物を支え、もう片方で薬を渡している。画面をタップして、持ち替えて、相手に見せる往復が、受付を止めます。
通信を使わない翻訳、という選択肢
私たちが作っている TransferFriends(トランスファーフレンズ)は、翻訳・音声の聞き取り・読み上げの3つとも、スマートフォンの中だけで動かします。最初に言語のデータを入れておけば、あとは通信が一切要りません。
通信していないので、飼い主さんの住所もペットの既往歴も、どこへも送られません。ビルの中の病院で電波が細くても、機内モードのままでも動きます。
対応は86言語です。スペイン語・ポルトガル語・中国語・英語・ベトナム語・フィリピノ語・韓国語など、実際に来院される飼い主さんのことばは入っています。
受付で、渡す順番
受付のカウンターにスマホを1台置きます。画面を上下に分けて相手側を180度反転させる表示があるので、カウンター越しに、持ち替えずにやり取りができます。獣医師が日本語で話す、飼い主さんのことばで出る。飼い主さんが話す、日本語で出る。
順番を決めておくと2分で終わります。①薬の名前と何のためか ②1回の量と1日の回数 ③飲ませるタイミング(ごはんのあと)④何日間か、よくなっても飲みきるか ⑤次の来院日 ⑥「気になることは」と聞く。動画の「1日に何回」は②ですが、③④が抜けると自己流になります。
量・回数・日付は、必ず画面の文字で確かめます。「1回1錠」「朝と夜」「7日間」「来週の火曜」。訳文は文字でも残るので、薬袋と画面を並べて、該当の箇所を一緒に指さします。
院内で先に決めておくと、迷わない
導入する前に決めておくとよいことが3つあります。1つめはどこまでをアプリで、どこからを書面や通訳にするか。薬の飲ませ方と次の来院まではアプリ、手術の同意や高額な治療の説明は書面と正式な手順、と線を引いておくとスタッフが迷いません。
2つめは記録に残すかどうか。訳文をカルテに写すのか、確認だけに使うのか。3つめは端末です。受付の共用端末に入れておくと、情報管理の説明が一本化できます。
念のため書いておきます。手術の同意、高額な治療の判断、緊急時の説明には、必ず正式な手順を踏んでください。このアプリは、受付での説明を確実にするための道具で、その代わりではありません。
よくある質問
使えます。翻訳も音声の聞き取りも読み上げも端末の中で動くので、機内モードのままでも動きます。最初に言語データをダウンロードするときだけ、Wi-Fiのある場所でお願いします。
送られません。通信を使わないので、会話の中身がサーバーを通ることがありません。
手術の同意や高額な治療の説明は、正式な書面と手順で行ってください。このアプリは、薬の飲ませ方や次の来院など、受付での説明を確実にするための道具です。
86言語です。スペイン語・ポルトガル語・中国語・英語・ベトナム語・フィリピノ語・韓国語など、来院される飼い主さんのことばはたいてい入っています。
基本の翻訳は無料で使えます。App Store と Google Play のどちらからでも入れられます。
この記事のアプリは、無料ではじめられます。
iPhone・Androidどちらでも使えます。
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